(聞き手:田川流大)
リロコーヒーのマネージャー、セキネさん。
「元舞妓のバリスタ」「着物を着てコーヒーを淹れる人」といったイメージが先行しがちですが、昨年からは 現場から少し距離を置いた働き方に。
セキネさんは不思議と、未知なる境遇に身を投じることを恐れず
大きな決断は直感に従うと言います。
非言語的で感覚的な核の部分と、ミクロな視点でどこまでも潜る 深淵な思考力。
この対照的な2つの顔が共存しているからこそ、
リロの調整役でありながら表現者であるという
本当に「セキネユカしてます」としか言いようがない仕事をしているのでしょう。
人との関係に焦らず、深い信頼関係を丁寧に築きながら
「セキネユカ」の表現は刻とともに層を重ねていきます。
第3回
堀田さんは違和感のない人
ルダイ
「こたつ部屋」が始まったのはちょうどセキネさんが今のポジションについたあたりのタイミングですか?
セキネ
そうやね、ラジオ自体は裏方の仕事になって少し経ったくらいに始まった。でもその前の年末くらいから「ラジオするからお願いねー」とは堀田さんに言われてて(笑)
ルダイ
おお。
セキネ
「お願いね?私?ラジオ?え??」とはなったけど、「何か」があったから私に声をかけてくれたはずという、それだけでとりあえず始めてみようという気持ちになったかな。
ルダイ
なるほど。お話を聞いていると、セキネさんは割とすんなりいろんなことを受け入れているように聞こえます。
セキネ
うんうん(笑)
ルダイ
例えば、決まった仕事がないポジションにポンっと置かれたら、不安になるのが普通だと思うんです。
セキネ
そうだねー。それは多分、堀田さんのことを信頼していたからかな。
ルダイ
ただ、当時堀田さんとの距離感はそこまで近くはなかったですよね。
セキネ
そうだね。近くはなかったけど、リロに入ってからは自分の近況は定期的に堀田さんに話す機会があって。
ルダイ
ほうほう。
セキネ
自分が今何を思ってるか、どういう状況か、という話は包み隠さずしていて。堀田さんはそれを否定も肯定もせず聞いてくれる人だったんだよね。
ルダイ
はい。
セキネ
それが、私の中ではすごく自然だったというか。堀田さんという人に対して違和感がなかったんだよね。
ルダイ
ほう。
セキネ
人間に対して違和感を感じる時って、自分の中のイメージとギャップが出た時だと思うんだよね。「こういう人だったのにそんなことするんだ」みたいな。それって期待が入ってることだとは思うんだけど。
ルダイ
はい、はい。
セキネ
その違和感が無い人なんだよね。「思考」「言葉」「行動」が一致してる人。
ルダイ
「思考」「言葉」「行動」。あ〜そうですね。
セキネ
頭で思ってることと違う言葉を発することは人間関係を築く上で必須なんだけど、それが無い人なんだよね。
ルダイ
はいはい。
セキネ
このことを、当時の私も無意識的に堀田さんに対して感じていたから、話す頻度が低かったとしても、信頼が貯まり続けた感じ。だから堀田さんと話をしていくと不安が不安じゃ無くなるから、大丈夫だったんだと思う。
ルダイ
確かに、自分にかけてくれる言葉がそのままその人が考えていることだという確信は、計り知れない信頼に繋がりますよね。嘘がないという。
セキネ
うん、そうなの。「あ、こうだからこうなんだろうな」がわかりやすいというか。
堀田さんは見た目の威圧感で難しく見られがちだと思うけど、私はすごくシンプルだと思う。
ルダイ
うんうん。
セキネ
知れば知るほど信頼ができる人。
(第4回「自分をバリスタだと思ったことがない。」へつづきます)