(聞き手:田川流大)
リロコーヒーのマネージャー、セキネさん。
「元舞妓のバリスタ」「着物を着てコーヒーを淹れる人」といったイメージが先行しがちですが、昨年からは 現場から少し距離を置いた働き方に。
セキネさんは不思議と、未知なる境遇に身を投じることを恐れず
大きな決断は直感に従うと言います。
非言語的で感覚的な核の部分と、ミクロな視点でどこまでも潜る 深淵な思考力。
この対照的な2つの顔が共存しているからこそ、
リロの調整役でありながら表現者であるという
本当に「セキネユカしてます」としか言いようがない仕事をしているのでしょう。
人との関係に焦らず、深い信頼関係を丁寧に築きながら
「セキネユカ」の表現は刻とともに層を重ねていきます。
第1回
マネージャーという仕事
ルダイ
セキネさんって、
セキネ
はいセキネです。
ルダイ
…Googleで「セキネユカ」と検索すると、お着物をきてコーヒーを淹れるセキネさんの画像がたくさん出てきます。
セキネ
はいはい。
ルダイ
そんなセキネさんですが、今リロコーヒーに入って3年…
セキネ
4年目やね。
ルダイ
4年目を迎え、最近はどうやらあまりお着物を着てらっしゃらないようですね?
セキネ
そうですねぇ、着物を着る機会はめっきり減りました。
ルダイ
めっきりですよね。
セキネ
というのも、バリスタというプレーヤーの仕事をやっていた期間は終わって、気持ち的には転職に近い形で今はリロのマネージャーをやっております。そもそもバリスタってあんまり言いたくないんだけどね。
ルダイ
マネージャー。リロにはマネージャーという仕事があるんですね。
セキネ
そうですね、リロのマネジメントをやっております。
ルダイ
コーヒー屋の中でも、リロはそれほど大きな企業ではありません。その中で「マネージャー」という仕事がどういうものなのか教えていただけますか?
セキネ
具体的には、私が担当しているのはスタッフの働きやすい環境づくりであったり、会社が前に進むためのサポート的な役割ですかね。
ルダイ
うんうん。
セキネ
なので「これをやってます」というのが難しいけれども、うーん。小さなことでいうと、うーん。…ない。
ルダイ
はい、ないです小さなことなんて(笑)
セキネ
えーと。
ルダイ
なんでしょうね。仲介役?
セキネ
マネジメントと一口に言っても、いろんな形があると思うんだよね。新しく入ったスタッフの教育もマネジメントだと思うし、店舗ごとの動きを把握して改善点・問題点を抽出するのもマネジメントだと思うけれども。
ルダイ
うんうん。
セキネ
私はその会社の特性を生かしたマネジメントというのが必要だと思うから、リロにはリロのマネジメントの方法があって、大企業にはまた別のやり方があると思う。
ルダイ
はい。
セキネ
リロにおいては割と特殊というか。会社だけれども人間関係が密で、「同じ会社の人」の距離感にはない部分にまでグーっと入り込んでいくような。
ルダイ
うんうん。
セキネ
意図的に濃密な関係性になりやすくしている会社がリロなので、その中で仕事ではない部分でも、人間的な関係が増えていく。思想の問題とかね。
「仕事で言えばそうだけど、人間的にはこうだよね」みたいな事は仕事においては不必要とされがちだけど、働いている時間も人生の大切な時間だと思うから、一人一人の環境をどれだけいいものにできるかという観点からマネジメントをやっています。
ルダイ
…セキネさんのセリフだけで画面が埋まっちゃいます(笑)
セキネ
あはは。まぁ簡単にいうと、リロは家族的な繋がりが社員同士でありますと。
ルダイ
はい。
セキネ
仕事においては「個人」は要らない、必要ないとみなされがちだけど、リロは「会社」「チーム」「個人」の全てを大切にしてるんだよね。
ルダイ
ふんふん。
セキネ
そのどれか一つが欠けてもリロじゃない、という前提が根本にあるので、私はその環境を整える部分に身を置いています。
(第2回「リロを知ることから始めた。」へつづきます)