(第1回)がむしゃらに経験していた

(第2回)いつもケイタさんが気づかせてくれる。

(第3回)想像することと伝えること

(第4回)観察

(第5回)わからないことが楽しい

(最終回)リロのために。

 


 

 

 

第2回
いつもケイタさんが気づかせてくれる

 

ナミ

スタバはめちゃ好きだったし、今でも好き。途中で社員を目指していた時もあって。

 

ルダイ

そうなんですね。

 

 

ナミ

だんだんランクが上がるにつれて、できないことが減っていったの。もちろん全て完璧にできたわけじゃないけど、色々身についてきてやりたかったことができるようになった。

 

ルダイ

はい。

 

ナミ

ふと「これから何を学びたいんだろう」と思った時に、接客も好きだけどやっぱりコーヒーをもっと知りたい!スタバの外の世界中のコーヒーを知りたい!と思った。

 

ルダイ

おお〜、それでスペシャルティコーヒーの世界に飛び込もうと。

 

ナミ

そしたらお兄ちゃんが「大阪でスペシャルティコーヒー店に行くならリロコーヒーにしろ!」って(笑)

 

ルダイ

ええ(笑)。

 

ナミ

お兄ちゃんは頭も良くて分析力があって、常に色々比較した上で私に合っているなという選択肢をくれるから、その時点で結構リロが私の中で特別な存在になってた。

 

ルダイ

お兄さんを信頼しているんですね。

 

ナミ

「とりあえず一回リロに行ってこい」と言われて。スペシャルティのこともあんまり知らない状態で行ってみたんだけど、そこで「なるほど」と思った。お兄ちゃんの言ってることはそういうことかと(笑)。

 

ルダイ

へぇ〜。リロのどこに感動したんでしょう。

 

ナミ

自分が求めていた「世界中のコーヒー」がリロにはあって、もちろんそれにも驚いたんだけど、やっぱりその時も接客に心を打たれちゃって。

 

ルダイ

接客ですか!スタバでとことんやってこられた「接客」。ナミさんにはリロの接客のどこが魅力的にうつったんですか?

 

ナミ

「お見送り」。コーヒー屋さんでお見送りってあんまりみたことない。若い頃の私にはそれがすごくグッときて。

何故かというと、スターバックスにはお客様との間にレジカウンターがあって、接客が好きな自分としては遠かった。もっとお客さんに近づいてコーヒーのことをお話ししたいなと思っていたから、リロの接客を見てすごくお客さんと距離が近いなと思って。

 

ルダイ

たしかに、スタッフとお客さんの距離感の近さには僕もびっくりした経験があります。

 

ナミ

その時は常連さんがいてて、店内がめちゃめちゃ盛り上がってたの(笑)。私は隅っこの席にいてたんだけど。

「みんな友達?」と思って(笑)。だけどよく聞いてるとそれぞれ別のお客さん。

なんか、このファミリー感というか、ホームというか。ふらっと「ついでにコーヒー屋に寄ろうかな」じゃなくて、このお客さんたちはリロに来たくて来ているんだなと。

 

ルダイ

なるほど〜、リロにお客さんが「帰ってくる」ような空気だったんですね。

 

ナミ

その時に言葉にできないけど胸がすごく熱くなって。だから、コーヒーの種類やクオリティももちろんすごいけど、やっぱり接客に心打たれたかな。

他の店にもたくさん行ってみたけど。。あの感動はリロにしかなくて。私はここで働きたいと思った。

 

ルダイ

さすがお兄さん、ですね…!

 

ナミ

ほんまに(笑)。でもスターバックスを辞めたいわけでもなかったから少し迷っていたら、ちょうどそのタイミングでリロが初めてリクルートを出したのね。

 

ルダイ

うわ〜!

 

ナミ

今でも覚えてる。もうこれは今しかない、ここに行けということでしかないなと思って。

 

ルダイ

タイミングですね〜〜。

 

ナミ

うん!そうね!

接客で言うと、圭太さんの接客はめちゃめちゃ尊敬してる。今までの中で、一番の接客はケイタさんだなと思う。

 

ルダイ

おお!ケイタさん。

 

ナミ

ケイタさんはリロの中でとっても重要な、替えの効かない立場なのに、本当にいつでも腰が低い。初めて来られたお客様にも、ちょっと横柄な方にも。

 

ルダイ

確かに…。お客様の前だけではなくて、新人の僕に対ししてでさえいつも丁寧に接してくださいます。偉そうだなんて思ったことは一回も、1ミリもありません。

 

ナミ

100%腰が低いよね。本当に接客のプロの姿だなと思う。相手に対してダメなことはダメと言うけど、その言い方も絶対に下からで、嫌味もなく筋が通ってる。

ケイタさんの背中をいつも見ていて、ケイタさんの接客は本当に一番尊敬できる。それは三年間変わらない。

 

ルダイ

おおお。

 

ナミ

今でも、ケイタさんと一緒に店舗に入る時はハッとなることがよくある。

やっぱり自分も周りが見えなくなったり、考えなきゃいけないことに追われて表情が暗くなってしまったりすることがあるけど、圭太さんの背中を見ていると「ああ違う違う!」「忘れてるぞ自分」って思い出させてくれるというか…。

今の自分の状況や欠けてる部分、見えてない部分に気づかせてくれる。

 

ルダイ

いつでも「あるべき姿勢」を示してくださるんですね。

 

ナミ

それに、「勉強しような!」と言うんじゃなくて、自然と気づかせてくれる。

お客さんが帰られる時に圭太さんがバーッとお見送りしに行った姿とか。そうだ、あの姿勢だ!って。

自分忘れてたなと一回落ち込むんだけど、そこで気づかせてもらえたから次に繋げていける。

 

ルダイ

ケイタさんは行動を「指導」するのではなくこういう姿勢が大事だよねという根っこを「自覚」させてくれるところがかっこいいですね。

 

ナミ

そう!そうなの。

 

ルダイ

なみさんの接客は圭太さんを元にしたところも多いんですか?

 

ナミ

圭太さんを見習っているところはめっちゃある。ただ、圭太さんのまねをするわけではなくて。

自分の接客というのがあるけど、ケイタさんに学んでいるのは接客する上での気持ちかな?

やっぱり3年もリロにいたら立場も変わってきて、今はストアマネジャーをさせていただいてるけど、低い姿勢は常に大事だなと思う。

 

ルダイ

うんうん。

 

ナミ

でもいつの間にか忘れかけちゃったりするから、ケイタさんを見て「そうだ!」みたいな。年齢関係なく大事なことだからこそ、ケイタさんの行動が身に沁みる。

 

ルダイ

やっぱり接客方法ではなくて根っこの部分ですね。

 

ナミ

やり方は一緒じゃないと思うし、私の接客はあると思ってそこは変えたらダメだなと思うから、本当に、ケイタさんから根本を感じてる。感じてるね。

 

 

 

第3回「想像することと伝えること」 へつづきます)

 

【リロのひと】ナミさん に戻る 

【ルダイのルポライター手帖】トップページに戻る