(第1回)がむしゃらに経験していた

(第2回)いつもケイタさんが気づかせてくれる。

(第3回)想像することと伝えること

(第4回)観察

(第5回)わからないことが楽しい

(最終回)リロのために。

 


 

 

 

第4回
観察

 

ルダイ

なみさんは常に内省しているというか、自分のことを見つめていますよね。

 

ナミ

してると思う(笑)。

 

ルダイ

自分がした伝え方についての振り返りをしたり、自分の感情がどう動いたかを観察したり。

 

ナミ

するねぇ。こういう感情の時はどうしたら良いか、どう声をかけて欲しいか。

自分に甘えてるのか、ただ余裕がないだけなのか。ちゃんとその時に知るべきだなと思ってて。いろんな感情の時に一回自分を見直す。

 

ルダイ

それはずっと前からやられていることですか?

 

ナミ

ううん。この2年くらいでやり出したかな。

前は今よりプライドも高くて頑固だった。いっぱい注意されて反発して泣くこともあったけど、20代になりリロに入って、どういう大人になりたいかって考えたりした時に、プラスの部分を伸ばすのはもちろんだけど、マイナスな部分に向き合おうとしたかな。

 

ルダイ

マイナスな部分。

 

ナミ

それをプラスにするのは難しいかもしれないけど、「普通」までなら戻せるなと。そうすることで見える世界があるなと思って。

今まで耳を塞いでいたけど、一回手を開けたら何かいい影響がある気がする。自分が目を背けてきたネガティブな感情に向き合うわけだから、少なくともマイナスにはならなさそう。

 

ルダイ

よくない状態の時に自分を見ることが多いんですか?

 

ナミ

そうかも。言い方とか目線とか、映像で逐一覚えるタイプだから、「さっきの私の立ち方…」みたいな。あの立ち方をちょっとお客さんの方に向けたら、もっと目があって話しやすかったんじゃないかなとか。顔だけ見るんじゃなくて体も大事だったなとか、手振りがあったほうが伝わってたかもなとか。

 

ルダイ

ほうほう。

 

ナミ

教える時にも感情が入っちゃうと相手も言いにくくなるよなとか。相手のために言ってても、私の言葉に感情が入っちゃったら萎縮しちゃったり素直に言えなくなるから、そういう時は自分の感情の乱れを押し殺したりする。

見つめてみて、今の感情は自分が意地を張っているだけだと思ったら、その感情は今の立場に必要ないことだから。

 

ルダイ

うんうん。お客様との接し方だけではなく、スタッフ間のコミュニケーションでも反省・内省するんですね。

 

ナミ

イラッとしても「ダメダメダメ」みたいな。「自分が思ってるのとちがうことをされたらイラッとなるのは当たり前だ」と一回自分の感情を認めてあげて、「でもこのイラつきはあの子には必要ないよね。じゃあ感情を抑えよう」とか。

「どうやってその行為をしたかは直接聞くまで分からない。よし怒らず冷静に普通に聞こう。それで自分の勘違いもあるからハッと気づけるし」みたいな(笑)。そのワンクッションを置くのは意識してる。自問自答する。何人かいるから、私。みんなもそうと思うけど。

 

ルダイ

いやいや(笑)。ナミさんの中には違う性格の人が何人もいて、彼らがガヤガヤ議論するのを上からみている感覚なんですよね。

 

ナミ

(笑)そうよね、本当に何人かいる。

 

ルダイ

しゃべりあってるんですよね。

 

ナミ

そうしゃべりあってる。「それやったらこうなるよ」という人と「でもやってみないとわかんないよ」という人と。

 

ルダイ

不思議な感覚です。自分の中に異なる人格の人が何人かいると、それらのやりとりを眺めながら俯瞰で冷静に自分を見ることができますね。

 

ナミ

自分をいつも否定してしまうから、内省した時に自分を一回認めることも意識してる。

イラッとした時に「なんでイラッとしたんだろう、こういう時すぐイラつくよな自分って」と思うよりは、「こういう時にイラつくんだな、そうだそれが私だよな」と一回認めてあげる。

その上でその気持ちが今必要か考えて、必要なかったら鎮めてあげたりね。冷静な判断をするためにも、起こったことに後悔しないようにしてるかな。

 

ルダイ

感情がよく動くナミさんだからこそ、人や自分の気持ちについてとても考えてますね。

 

ナミ

めっちゃ考えちゃうねん。ただ自分のことを振り返るだけじゃなくて、周りからも常に吸収しようと思ってる。

 

ルダイ

お客様、スタッフ問わず、相手とより良いコミュニケーションが取れるようにインプットしているんですね。

 

ナミ

「あれは良い伝え方だったな」「こう伝えると相手に悪く思わせたな」というのは全部記憶しようとしてて。

 

ルダイ

伝える方法についてですね。

 

ナミ

上の人からだけじゃなくて、みんなから学んでる。流大からもね。

 

ルダイ

ええ!

 

ナミ

流大はすごく聞くのが上手。その聞く姿勢っていうのが誰にもできなくて。ただの形じゃないの。空気。誰にもできなくて、なんでだろうと思ったりする。今の1秒前の頷きだったら止まっちゃうけど今のタイミングだから話せるのかなとか。

 

ルダイ

そんなに細かいところを見ているんですね…。

 

ナミ

だから流大に話しやすいというのはその相槌とか間とか目線なんだろうなとか、私も真似できることあったら考えてる。

 

ルダイ

めちゃくちゃ見てますね、、、。ナミさんは自分のことも人のことも、とにかく観察眼がすごいですね。

その目はお客様一人一人にとって気持ちいい空気をお届けするバリスタという仕事にとって、とても大切だと思います。

 

ナミ

めちゃ見てます(笑)。

 

 

 

第5回「わからないことが楽しい」 へつづきます)

 

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