(第1回)髪の毛を切りに来ていない人がいるサロンの方が面白い。

(第2回)決断は流れとタイミング。覚悟はない。

(第3回)大切なことはスターウォーズが教えてくれた。

(第4回)コーヒーを楽しみ、街をつくる。

(第5回)自然にやってしまうことを才能として。

(最終回)楽しむことに貪欲。

  


 

最終回
楽しむことに貪欲。

 

ルダイ

リロコーヒーはこれからも変化を続けると思いますが、先ほど店舗を増やす予定はないとお聞きしました。違うスタイルの新店舗をオープンさせることは、わかりやすくコーヒーの違う側面の楽しさを表現できていると思います。そのような見えやすい形での変化が落ち着いた今、これからどうやって楽しさを生み出して行こうと考えていますか?

 

ホッタさん

自分ごととして捉えるエリアをより拡げることかな。LiLo Coffee Roastersが大阪ミナミ・心斎橋のコーヒー屋として歩き始めて、リロ珈琲喫茶、LiLo Coffee Factoryができていく過程で、ミナミだけではなく大阪市、そして大阪府まで自分ごととして捉えられるようになってきたかなと思うんですね。

その次のステップとして “Japan” を視野に入れつつ、まずは大阪を楽しむためのコンテンツを出しながら、いろんな人を巻き込んでいきたいかな。

 

ルダイ

なるほど〜。

 

ホッタさん

Japan、すごいじゃないですか。僕自身、休みをとって毎年海外に行く生活をしてたんやけど、この2年半全く行けなくなって、日本の良さにどんどん気づいてきた。僕たちは食を提供する店も持っているし、美味しいコーヒーという武器もあるし、デザインという伝え方も持っているから、全てひっくるめていろんな人に楽しんでもらえるコンテンツやイベントをできたらなと思っている。うん、やっぱりちょっとだけ自分ごとが広がったって感じですね。

 

ルダイ

最初はアメリカ村界隈のみだった「一緒に楽しみたいコミュニティ」が、年を重ねながら少しずつ大きくなっているんですね。

 

ホッタさん

そうそう。ミナミになって大阪市になって、、

大阪って、ある意味何もしなくてもある程度人に来てもらえる街やから、逆に大阪の人が伝える努力をしなくても済んじゃってるんだと思うんですよ。歴史はあるのにそれを大阪人自体が知らなかったり。

 

ルダイ

そうですね。

 

ホッタさん

大阪の良さがまだまだ隠れてると思うから、そういう部分を探りながら遊びながら、やっていきたいなと思ってる。あんまり自分の良さを自分で伝えない文化もあると思うねんけど、もう少し伝えてもいいのかなと。

 

ルダイ

その手段の一つとして、スペシャルティコーヒーを含め今までリロがやってきたことを生かしたいですね。

 

ホッタさん

そうやな。

 

 

ホッタさん

改めて、スペシャルティコーヒーはすごい。僕自身10年間くらい毎日飲んでるんやけど、毎日美味しいなと思えるんですよ。

 

ルダイ

はい。

 

ホッタさん

これは結構すごいことで。いいものを買っても、大抵はなかなか感動が続かないんですよ。毎日寿司を食べていたらだんだん美味しくなくなってくるし、服でもそう。僕の場合はシャンプーとかトリートメントもそう。最初はいいやん!と思っても、2週間もすれば飽きちゃうんですよね。でもスペシャルティコーヒーは、毎日飲んでてもやっぱり美味しい。

 

ルダイ

確かに…。

 

ホッタさん

その上、LiLo Coffee Roastersでは、Cup of Exellence なんかの品評会に受賞している豆が、一杯1,000円くらいで飲めるわけですよ。他の豆よりは高いけど、ベラボーな価格ではない。しかも豆を買って家で淹れたらもっと手頃に楽しめる。200g買ったとすると、一杯あたり270円くらいで世界の品評会に出ている豆が毎日飲める。コンビニで100円のコーヒーを買っているとしたら、そこに170円足すだけで品評会に届いちゃうわけですよ。もちろんもっと高い、評価されたコーヒー豆もあるけど、そのレベルまでいくと優劣というより個性の差。そんな気軽な感覚で世界トップレベルを楽しめるって、コーヒー以外に本当ないんですよね。例えばワインと比べると、品評会に出ているワインと同じブドウを買って家で作れるかというと無理じゃないですか。まず酒税法で捕まるし。

 

ルダイ

そうですね(笑)

 

ホッタさん

かといって、完成品をボトルで買うとめちゃめちゃ高い。味わいがどんどん変わるから2週間くらいをかけてちびちび飲むのも難しい。もちろんそれはそれで比較できない楽しみ方があるからいいんやけど、やっぱりコーヒーってすごいなと思う。

 

ルダイ

本当ですね。

 

 

ホッタさん

うちのバリスタはよく大会に出てるけど、大会に出るだけで全日本とかオリンピック選手のようなものじゃないですか。そんなレベルの大会に出場するようなバリスタが、世界で評価されている豆をコーヒーとして淹れてくれても1,000円くらいですよ。その人が「こうやって淹れたら美味しくできますよ〜」と教えてくれて、14杯分を4,000円以下で買えちゃうわけですよ。

 

ルダイ

他にそんなものないですね(笑)

 

ホッタさん

そんなものないねん。それが毎日あって、毎日飲んでいても美味しいと感じるんですよ。そんなコーヒーがある生活とない生活を考えると、幸福度というか豊かさが全然ちゃうなと思う。

 

ルダイ

いいものが毎日の生活に取り入れられるレベルの価格で手に入り、しかも毎日美味しく飲めて豊かな気持ちにさせてくれる。他になかなかないですね。

 

ホッタさん

そやねん、スペシャルティコーヒーと安いコーヒーは、価格の差と美味しさの差が釣り合ってない。数百円でこんなに美味しくなるのってすごいよ。一度知ってしまったら戻れない。

 

ルダイ

僕、スペシャルティコーヒーのこと好きなんですが、なぜか今もう一回説得された気分です(笑)。完全に納得しました。

 

ホッタさん

美味しいコーヒーを追求してより品質の高いコーヒーを作り出すのは、中村圭太を筆頭にバリスタたちがコミットしてくれているじゃないですか。だから僕はいろんな楽しみ方を提案したり、楽しめる環境を生み出すことに注力していく方がいいのかなと思ってる。「これが美味しいですねん!」「これが品評会で…」という発信の仕方はケイタやバリスタたちに任せて、僕自身は別の方向から「え、今まで思ってたコーヒーじゃないやんこれ!」とコーヒーに触れる機会を作っていくことに力を注いでいきたい。

 

ルダイ

堀田さんは、世間やお客さんに対して楽しみ方を教えてくれる方だなと思います。

コーヒーの楽しみ方というよりも、人生の楽しみ方です。

「これいいんです!」ではなく「これ取り入れた方が、絶対に生活が楽しくない?」という話し方をされますよね。とことん生活者として物事を捉えていて、生活を楽しくするための行動、生活を楽しくするための事業をしています。このインタビューの後に株式会社LiLo in veveが掲げるフィロソフィーを改めて見てみると、堀田さんの全てが詰まっている気がします。

 

ホッタさん

ずっと楽しくいたいねん。僕は楽しむことに貪欲やから。

 




ひとりひとりを活かし

おもしろく存り続け

ワクワクを創造する

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ホッタさんについてもっと知りたい方は…

🎤 ヒロナのなんでなんで「堀田社長のエネルギー源は?」

🎤 ヒロナのなんでなんで「堀田社長の構成要素は?」

🗣 Podcast 「ホッティーのこたつ部屋」

 

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