(聞き手:田川流大)
リロ珈琲喫茶には日夜、様々なお客様がいらっしゃいます。
その中には悩みを抱えた人もちらほら。
彼らの相談に親身に耳を傾け、力強い言葉と共に送り出すのは喫茶の店長、山本紘奈さん。
綺麗なピンクヘアがトレードマークのヒロナさんは、
面倒見のいい喫茶のおかん的な存在です。
対象を独特の感性で見つめ、一般的には「欠点」とされるあらゆる物事に惜しみない愛情を注ぐヒロナさんは、
リロ珈琲喫茶に懐の深い世界観を生み出す核となっています。
壁に直面するたびに厚みを増す表現と、ずっと変わらない根っこの感性。
「やりたいことだらけだからね」
感情のこもった言葉を紡ぐその姿からは、コーヒーへの愛と
喫茶をもっと面白くしたいというエネルギーが溢れ出ていました。
最終回
リロ珈琲喫茶のこれから
ルダイ
じゃあ最後にひとつ質問しようかな、いいですか?
ヒロナ
うん。
ルダイ
やっぱり周年なので、節目ということで。
ヒロナ
はい。
ルダイ
これからやっていきたいこと、今興味があることなどはありますか?リロとしてでも個人的なことでも。
ヒロナ
それはねぇ、思ってる。ずっと。3月に喫茶での成果も出て、キョウスケとサノさんと私がすごくいいチームを作れたっていう達成感を3人とも得られて。
ルダイ
うんうん。そして今年の4月からキョウスケさんに代わりタクミくんが喫茶に入ることが増えて、新体制での再スタートですね。
ヒロナ
うん。ここからスタートラインだなっていう感覚はあったから、じゃあどういうお店を作り上げるのかとか、どこに向かって走って行ったらいいのかなというのは、不安ではないけど「決めないといけないのかな」とも思ってた。
ルダイ
ふんふん。
ヒロナ
あったら進みやすいし。ゴールが無いと進みにくいからさ。
ルダイ
そうですね、「現状維持」の方が難しいですもんね。
ヒロナ
逆に私が「ここだよ」って言ってあげればみんながそこに向かって走れるけど、それが無いと「どこに行けばいいですか」ってなっちゃうから、なんか決めないといけないなと…。
ルダイ
うんうん。
ヒロナ
と思ってたんだけど、決めない方がいいなって今は思ってる。
ルダイ
おお〜、どういった変化があったんでしょう?
ヒロナ
常にみんなも私も進化してるし、興味もどんどん変わっていってる。それはリロにも言えることで、だから決めない方が進みやすいと思って。
ルダイ
ほうほう。
ヒロナ
停滞するときもあるやろうし、でもみんな今のところ進んでる。それに進んでなかったら誰かが気づいて尻叩くし(笑)
ルダイ
はい(笑)
ヒロナ
特に堀田さんが最終的に尻叩いてくれるっていう、自信というか信頼はあるから、決めない方がいいなって今はしっかり思ってる。
ルダイ
ほう〜、なるほど。
ヒロナ
そう。決めてないから楽しみなんだよね、どこに辿り着くんだろうみたいな(笑)
ルダイ
以前堀田さんに聞いたことがあるんです、「5年後、10年後リロはこうなっていたいという目標はあるんですか?」って。
ヒロナ
うん。
ルダイ
そしたらびっくりされて。怪訝そうな表情で。
ヒロナ
えっ!
ルダイ
「そんなん決めて楽しい?」って言われたんです(笑)
ヒロナ
あははは。「楽しい?」(笑)
ルダイ
「ゴールに向かって最短距離で効率的に行っても、なぁ?」みたいな。
ヒロナ
そう、少し前までゴールが無いと不安だったの、私も。「何のためにやってるんだろう」という目的がないとすごく不安だったんだけど、今はもう全然いらないなって思ってる。
ルダイ
ほぉ。面白いです。
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ルダイ
ありがとうございます!ヒロナさんがリロに来る前の話なんか全然知らなかったので、今回お話を聞けてよかったです。
ヒロナ
流大くんが興味あることがすごい気になってたから、嬉しいよね(笑)
ルダイ
あはは。僕の中でヒロナさんは謎だらけです(笑)
ヒロナ
ピンポイントで「好き!」ってなる理由を流大くんに聞かれて、自分でも改めて自分のことを理解できた。
ルダイ
「好き」のエネルギーが大きい人はとても楽しいです。楽しいというか…魅力的です。
ヒロナ
そうだよね〜。堀田さんともよく「なんでこれ好きなんですか?」「わからん」っていう会話をする(笑) 堀田さんもわかんないんだって。
ルダイ
(笑)。でも言葉にするのも限界がありますもんね。あ、これも堀田さんがおっしゃっていたんですが。
ヒロナ
うん。
ルダイ
「言葉にすることで自分の意志が明確に把握できて良いという面もあるけれど、言葉にするとその時点で考えが固まってしまうから、まだ自分の中で育てたいことはあえて言葉にしないでいる」と。びっくりしました。
ヒロナ
お〜。
ルダイ
なんでも言語化すればいいわけではないんだと気づきました。
ヒロナ
ねぇすごいね、たしかに!やりたいことだらけだからね。ほんとだ〜。
ルダイ
たっぷりとお話ありがとうございます!
(インタビューは以上です。ここまでお読みくださった皆さま、ありがとうございました!)