第5回
これまでの集大成、これからの第一歩
ルダイ
例えばキョウスケさんが料理を作ってもらって「うまい!」となるよりも、自分が作って提供する側の人間でいた方が、キョウスケさんにとっても喜びが大きいということですね。
キョウスケ
そう。逆に、何かしてもらうのは苦手で、誕生日プレゼントをもらった時は嬉しいけど困る。自分が人をお祝いするのは好きやねんけど、お祝いされたらどうしたらいいかわからへん。
ルダイ
なるほど。
キョウスケ
僕のために時間をかけてサプライズしてくれたり…。すごく嬉しいけど、僕があんまり喜んでいるように見えなかったらどうしようと思う。
ルダイ
あー。結局、常に自分の行動が相手にどう影響するかということが気になるんですね。
キョウスケ
やから外国の人みたいな「ワオ!」っていう大きいリアクションが好きで、僕もそれを無意識でできるようにした。
ルダイ
へぇ!キョウスケさんに何かしてくれた人に喜んでもらえるように、ですね。自分がそういう反応をしてもらえると嬉しいからですか?
キョウスケ
そう。苦手やったけど、感情を出していこうと思って。良い感情ね。
ルダイ
なるほど!たしかにワイワイ楽しそうなキョウスケさんはよく目にするんですが、キョウスケさんから負の感情がうわっと出ているところを見たことがないなぁと思っていたんです。
キョウスケ
あんまりないね。
ルダイ
元々あまり感情が表に出ない性格を持っていて、そこからポジティブな感情だけ表現できるように意識したんですね。
そして、そのプラスの感情を最大限表現した状態が「プリンス」なのかもしれないですね!
キョウスケ
そう。感情を出した集大成がプリンス。
ルダイ
僕は、その100%のプリンス状態をキョウスケさんのスターンダードだと勘違いしていたから、最初びっくりしたんですね(笑)。
キョウスケ
そうそうそう。「誰だこの人」ってなったやろ(笑)。
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ルダイ
今回のLCR7周年に際して、キョウスケさんはコーヒーと焼き菓子のペアリングセットを提供しますね。3種のコーヒーに対し、それぞれ異なるアプローチでパウンドケーキを作りあげています。ペアリングにもいろんな種類の「合わせ方」があるらしいですね。
キョウスケ
そう。コーヒーのフレーバーと同じ系統の味わいを焼き菓子に入れて相乗効果を狙ったり、コーヒーに入っていないテイストのお菓子を合わせることで、一緒に口に入れた時に新しい美味しさが拡がる様に計算したりね。
ルダイ
今回はどうしてペアリングをしようと思い立ったのですか?
キョウスケ
美味しいケーキを作るためにケーキ屋さんに修行に行った。それから美味しいコーヒーに出会って、コーヒーを淹れるためにリロに来た。
ルダイ
はい。
キョウスケ
そんな今の僕が何をしたらお客さんに喜んでもらえるやろうなと思った時に、自分の持っているものは「パティシエの知識」「バリスタの知識」と「味覚」やなと思って。
将来的には美味しいコーヒーとケーキ、両方ともできる男になりたいから、この機会にやってみようと。
ルダイ
うんうん。パティシエ、バリスタという道を進んできたキョウスケさんだからこそ、焼き菓子とコーヒーを組み合わせることに意味があるなと感じています。
ただ、今回のペアリングがキョウスケさんの集大成だというわけではなく、むしろ「これから」への一歩目とも捉えれられるのかなと思っていて。
キョウスケ
おう。
ルダイ
キョウスケさんは将来自分のお店を出す、と長い間言い続けていますよね。
そこに向かってこれからもインプットとアウトプットを繰り返して、技術や知識がどんどん厚みを増していくのだと思います。今回のペアリングはこれからの成長の緒なのかなぁと、勝手に思っています(笑)。
キョウスケ
ははは。
ルダイ
もう一ついいですか。今までの経験の集大成という意味で、これまでの話にも登場した「作る」「伝える」ということもキーワードになるのかなと。
キョウスケ
うん。
ルダイ
高校時代にシュークリームを作ってみんなに喜ばれた時から「作る」ということはキョウスケさんにとって大事な要素ですよね。ケーキを作り、コーヒーを抽出し。
それに加えて、リロに入ってからは美味しいものを作るだけではなくて、直接お客様に「伝え切る」ことがとても増えたと思うんです。
キョウスケ
抜群に多いね。
ルダイ
ですよね、対面で話したりライブで喋ったり。この歴史を歩んできたキョウスケさんだからこそ、「作る」「伝える」の両輪でお客様にいいものをお届けできるのかなと。
そしてこれからさらに良くなっていくんだと思いますが!長々とすみません(笑)。