第3回
プリンス誕生
キョウスケ
後は、ライブを30分見るのって結構しんどいと思っていて。だからこそライブ内容を詳しくテキストに起こしてる。そこを見れば30分見なくても内容が分かるからね。
ルダイ
確かに、キョウスケさんは詳細にまとめていますよね。
キョウスケ
ケイタさんや他の有名なバリスタさんとちがってまだまだ僕は「お前誰やねん」っていう感じだろうから、僕は分かりやすく丁寧にしようと思っていて。
ルダイ
うんうん。
キョウスケ
僕のライブは見なくてもいいけど、「あのライブの詳細分かりやすいから読んでおこう」となればいいなと思ってる。
ルダイ
まずは「役に立つ」人になって、そこから少しずつキョウスケさんを知ってもらえたら、ということなんですね!
キョウスケ
そう、「役に立つ」。
ルダイ
結構考えてるんですねぇ。
キョウスケ
無意識に、というかどうやったらお客さんが見やすいかなぁと考えて少しずつ書くようになっていった。最初の方は全然書いてなかった(笑)。
ルダイ
なるほど〜。「プリンス」キャラも最初はなかったらしいですね。
キョウスケ
そう。最初は経験も知名度もない僕のライブを見てくれるのかすごく不安で、だからライブ中にみんなが送ってくれる「ハート(いいね)」が本当に嬉しかった。
ルダイ
あ、よく「ハート送ってね」って言ってましたよね。あれ本当に欲しかったんですね(笑)。
キョウスケ
うん、本当に。「見てくれてる!」って。そんな中「僕かっこいいからね〜」「みんなに元気を届けるプリンスだからね、ハートいっぱい送ってね」と言い始めたら「元気出ました!」という声をたくさんもらって。あ、元気を届けるキャラでいこうと。
ルダイ
へぇ〜!見てくださっている皆さんとの関係の中で「プリンス」が誕生したんですね。
キョウスケさんは、ライブが始まった途端うわぁ〜っ!とエネルギー全開で話すことができますよね。話をするのはどうして得意になったんですか?
キョウスケ
喋るのが得意ってよく分からへんけど…。話し方が上手な人って、日本語が綺麗で、相手によって言葉を分かりやすくしたり難しくしたりできる、頭がいい人やと思う。
ルダイ
なるほど。
キョウスケ
僕はどうにかしてわかりやすい言葉で伝えたいなっていうことを考えてて。サッカークラブのコーチをやっていたのがすごく良かったと思う。
ルダイ
ほほう、コーチですか。
キョウスケ
「この子達はどうやったら僕の話聞いてくれるだろうな」を考えてたのと…。
いつからできるようになってたか覚えてないんやけど、話す瞬間のスイッチの切り替えかな。直前まで楽しく喋っていても「はっはっは〜。…じゃ、今から僕話しますね!」でみんなが聞いてくれる。
ルダイ
はぁ〜。確かに、キョウスケさんは「聞かせる話し方」をしますよね。
キョウスケ
話すのが上手というよりも、みんなが聞いてくれるから話すのが上手に見られる。
ルダイ
注目してもらうのが上手なのかもしれないですね。
キョウスケ
声色かなぁ。
ルダイ
そうですね、後は「間」とか。
キョウスケ
サッカークラブの保護者に「本当に藤井コーチの話だけはうちの子も聞くからすごい」って言われることが多かった。それで、「僕の話はみんな聞いてくれるんや!」と気づいた。
ルダイ
やっぱりそういうことを言ってもらえると嬉しいですか?
キョウスケ
「うわ、嬉しい!」とはならないけど…「そうなん?」みたいな。
ルダイ
なるほど(笑)。それはきっと、キョウスケさんが努力してできるようになったことではなく、自然にできてしまっていることで褒められたからかもしれないですね!
キョウスケ
そう、「え、そうなん!?」ていう。
ルダイ
やっぱりその部分はキョウスケさんの「得意」ですね。
話す、聞いてもらうということに関しては、キョウスケさんが頑張っているつもりでなくても標準より高いレベルにあるわけですから。その「得意」を意識していけば、もっともっと突き抜けられますね。
すごいです、僕には無い能力です。
キョウスケ
こう、「伝えたい!聞いてほしい!」っていう思いがずっとあるからかな。
ルダイ
それは、キョウスケさんが3男坊だったことも関係しているんですかね(笑)。
キョウスケ
そうかも(笑)。「一回聞いて!僕を見て」ってね。
(第4回「作って、伝えて。人に喜んでもらいたい。」 へつづきます)