(第1回)未完成のまま進む

(第2回)巻き込まれたい。

(第3回)焙煎機とリロの味

(第4回)あくまで目的は「人」に向いている。

(第5回)焙煎士として

(最終回)深く深く、もっと拡げる。

 


 

 

 

第3
焙煎機とリロの味

 

ルダイ

LiLo Coffee Factoryができたタイミングは、昨年の8月8日、LCRが6周年の時でしたね。

 

ケイタ

そうやね。喫茶はタイミングがうまく合ってオープンできた経緯だったけど、ファクトリーを建てる構想は前からあった。

 

ルダイ

ローリング(ローリング社の熱風焙煎機ファルコン)を導入する、という目標があったんですよね。

 

ケイタ

うんうん。

 

ルダイ

リロでは、ハマ珈琲さんの焙煎機に始まり、ラッキーさん、そして昨年よりローリングを使用して焙煎業務を行っています。「いつかローリングで焙煎する」ということはリロコーヒーを立ち上げた初期の段階で考えられていたことだったんでしょうか。

 

ケイタ

そうそう。ハマさんの焙煎機は「まず自家焙煎を始める」というところを最優先にして使い始めました。比較的安価で、DIY感のある焙煎機でもあるので、スタートを切ったばかりのリロコーヒーともマッチすると。

 

ルダイ

ふんふん。

 

ケイタ

次第に、ありがたいことにハマさんの焙煎機では焙煎が追いつへんようになって。その時に次の焙煎機として一番欲しかったのはローリングやった。

 

ルダイ

なるほど。

 

ケイタ

やけどローリングは場所的にもLAB(LCRのあるMビル9階)には置けへんし、焙煎量や費用の面でも今ではないかなと。ローリングの前に一個挟まなあかんなという経緯で、ラッキーにした。

 

ルダイ

なるほど。ローリングは熱風式、ラッキーは直火式と全く性質の異なる焙煎機ですが、敢えてラッキーを導入する判断をされたのですか?

 

ケイタ

そうそう、意図的に。将来的にローリングを使うことは決まっていたから、ローリングともハマさん(半熱風式)とも熱源の違う焙煎機を経験することが今後の財産になると思ったので。

 

ルダイ

ほうほう。現在の焙煎機であるローリングを導入するまでの6年間で、リロコーヒーは店舗も増えてオンラインショップも開設して、すでに国内外でたくさんのお客様にリロのコーヒーを楽しんでいただいていたと思います。

 

ケイタ

うんうん。

 

ルダイ

僕も一お客さんとして、リロのことは大阪のスペシャルティコーヒー界を引っ張るようなお店と捉えていました。

 

ケイタ

めっちゃ早い時から来てくれてたもんね。

 

ルダイ

大学に入った年からなので、5年前くらいでしょうか。

 

ケイタ

喫茶ができる前やね。

 

ルダイ

そうですね!その頃からリロは、「大阪 スペシャルティコーヒー」で検索してヒットするくらいに有名なお店だったと思うのですが、それほど多くのファンがいる中で焙煎機をガラッと違うものに変えることは、相当大変だったのではないですか?

 

ケイタ

大変ですね(笑)。焙煎機が変わるとコーヒーの味はめちゃめちゃ変わるので。

 

ルダイ

そうですよね。

 

 

ケイタ

ベースとして「リロの味」として大切にしているポイントは変え過ぎないようにプロファイルを組んではいくんやけど、全く同じ味にはならない。

 

ルダイ

うんうん。

 

ケイタ

そこで、僕というかリロの「味だけではなく人にお客様がついている」という強みに助けられながら、味が変わることをプラスに捉えていただけるよう伝えていったかな。

 

ルダイ

ほうほう。

 

ケイタ

ありがたいことにラッキーに変わった時もローリングに変わった時も、「味が変わった、もう買わない」という声は少なかったと思う。

 

ルダイ

ほ〜。

 

ケイタ

逆は結構あるけどね。昔から来られている方で、最近久々にリロに来出したという方がいらっしゃって。

 

ルダイ

はい。

 

 

ケイタ

「昔1回目めっちゃ美味しいと思ったのに2回目飲んだらクソ不味くてもう行く気を失くしててんけど、最近久しぶりに飲んでみたらめっちゃ美味しくなってたからまた行くようになってん」みたいな(笑)。

 

ルダイ

おお、すごくはっきりと(笑)。

 

ケイタ

最近は本当に美味しくなったという話を直接聞けることが多い。昔はけちょんけちょんに言われてたけどね。良くなっていっている、というのは素直に嬉しいよね。

 

 

(第4回「あくまで目的は『人』に向いている。」へつづきます)

 

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