(聞き手:田川流大)
リロ珈琲喫茶には日夜、様々なお客様がいらっしゃいます。
その中には悩みを抱えた人もちらほら。
彼らの相談に親身に耳を傾け、力強い言葉と共に送り出すのは喫茶の店長、山本紘奈さん。
綺麗なピンクヘアがトレードマークのヒロナさんは、
面倒見のいい喫茶のおかん的な存在です。
対象を独特の感性で見つめ、一般的には「欠点」とされるあらゆる物事に惜しみない愛情を注ぐヒロナさんは、
リロ珈琲喫茶に懐の深い世界観を生み出す核となっています。
壁に直面するたびに厚みを増す表現と、ずっと変わらない根っこの感性。
「やりたいことだらけだからね」
感情のこもった言葉を紡ぐその姿からは、コーヒーへの愛と
喫茶をもっと面白くしたいというエネルギーが溢れ出ていました。
第1回
鏡越しに決まったリロ入社
ヒロナ
シーズナルドリンクも、自分のやつも、いろいろね…
ルダイ
そうですよね、今回は発表形式ですからね。
ヒロナ
そうそう、でも全部やりたいんだよね。全部やりたいから時間なくて…。手抜きができないじゃん。
ルダイ
はい、はい。
ーーーーーーーー
ヒロナ
全部100%でやりたいじゃん。そこなんだよね…。
ルダイ
最近ヒロナさん、やりたいことめっちゃある、みたいですね。
ヒロナ
…はい(笑)。あります。確かに。サイフォンもそうやしね。
ルダイ
ね。
ヒロナ
確かにいっぱいあるわ。
ルダイ
最近急に増えたんですか?それは。
ヒロナ
うん。
ルダイ
へぇ〜。
ヒロナ
増えた。
ルダイ
モードが変わったんですか?
ヒロナ
そうそう。なんかタイミングが全部重なって全部繋がって、うわぁみたいな。
ルダイ
ははは。サイフォンには前から愛情を持ってたんですか?
ヒロナ
もう。(リロに)来た時からずっと。
ルダイ
あ、へえ〜。
ヒロナ
私リロに来る前に、サイフォンの喫茶店で働いてて。おじいちゃんおばあちゃんが来るようなお店で、毎朝おじいちゃんとおばあちゃんと挨拶して、モーニング食べて、みたいなお店だったの。イオンの中のね。
ルダイ
大阪じゃなくて?
ヒロナ
大阪!イオンの中の喫茶店で働いてて、4年くらい経ってた。
ルダイ
なるほど。それはリロ喫茶に来る前のお店ですか?
ヒロナ
そう。イオンの社員だったの。いろいろ転勤していて、その大阪のお店に来たのがちょうどLCR(LiLo Coffee Roasters)がオープンした2014年。
ルダイ
ヒロナさんがリロに入社したのはリロ珈琲喫茶がオープンした2018年でしたよね。リロには応募したんですか?あ、でも喫茶はひっそりと始まっていましたよね…。
ヒロナ
うんうん。転勤族だったから、スタンプラリーみたいにインスタで見たいろんなお店を巡るのが好きだったんだよね。スペシャルティコーヒー業界のアイドルみたいな人たちを見て「本物だー!」みたいな(笑)
大阪に来る前は栃木にいたから、休みになったら東京に行って…というのをやってた。
ルダイ
ほおー。
ヒロナ
それで大阪に転勤してきた時にLCRがオープンして、オープン当初のケイタさんと堀田さんはよくお店にいたから3人で喋ってた。結構いろんな話を聞かせてもらって。私もスペシャルティコーヒーってなんなんやろうと思いながら、その道の人から直接聞けるから、「あぁーなるほどね!」みたいな。
ルダイ
うんうん。
ヒロナ
そこから4年経って。転勤したら美容室とか歯医者さん変わるじゃん。
ルダイ
はい。
ヒロナ
姉が大阪に住んでるから大体髪は姉に切ってもらってたんだけど、リロに美容室あるじゃん!と思って、堀田さんに切ってもらい始めたの。堀田さんに切ってもらう時は、情報をもらいに行ってた。
ルダイ
へぇ〜!まさにサロン…。
ヒロナ
普段はお姉ちゃんがタダで切ってくれるから、「情報が欲しいな」「自分悩んでるな」「これからどうしたらいいんだろう」という時に堀田さんに切ってもらいに行ってた。そうこうしてるうちに、一回私の仕事が落ちついちゃった時があって。
ルダイ
変化がなくなったということですか?
ヒロナ
そう、「全部クリアしちゃった」ような。何かやりたいけど、次の目標どうしたらいいんだろう。何かヒントないかな〜と思って堀田さんに話したら、「リロで喫茶オープンするけど来る?」って(笑)
ルダイ
ええ〜!!すごいタイミング。
ヒロナ
そう、その時に「やります」って決めた。鏡越しに(笑)
ただ前の会社を辞めたかったわけではないから、両方の不安を解消しようと思って、一回履歴書を書いて堀田さんに面接してもらった。
ルダイ
そうなんですね。リロに入ってからのギャップはありました?
ヒロナ
…うん、ギャップはありますよ。すごく悩んだ。やっぱりみんな思うと思うけど、すごい人たちがいっぱいいるから。すごい人って有名とかではなくて、向いている方向が、今まで接していた人たちとは明らかに違っていて…。ざっくり言うと意識が高いと言うか。特にケイタさんと堀田さんは向いているベクトルが違ったから、だからこそついて行きたいと思ったんだけど、それに私はどうやってついて行けばいいか分からなかったんだよね。
(第2回「喫茶奮闘記」へつづきます)