第2回
バリスタ / リロコーヒーへ
ルダイ
オーストラリアの人はそれぞれこだわりのオーダーがあるんですよね。
ヨシ
そうそう、カスタムオーダーがほんまにいっぱい。エクストラホット、ぬるめ、ミルクを3/4まで、ミルクの種類もたくさんあるし…。どのお客さんも「いつもの」と頼むのが普通やね。
ルダイ
毎朝カフェに通っていたヨシさんが、ついにコーヒーを提供する側になったんですね。
ヨシ
コーヒーに関して、最初は本当に無知だった。どんどん知りたいことが出てくるから調べまくった。いろんなカフェで毎週フリーカッピングを開催してるから、休みの日は朝から晩まで予定を詰め込んでカッピングに参加したり、バリスタのコミュニティで情報を集めたり…。のめり込んでいったね。
ルダイ
メルボルンの後、台湾で働いたんでしたっけ?
ヨシ
いや、その前にニュージーランドに行ったよ。ワーホリを始めて1年目はいちご農園とロードトリップ、2年目はメルボルンでバリスタになり、 3年目はニュージーランドのオークランドという都市でバリスタと南島をロードトリップ。いろんな国を周って旅をしたい気持ちはずっと持っていたから、旅をしながらニュージーランドにも行った。
ルダイ
なるほど。
ヨシ
そして4年目に台湾へ移った。リロのことも台湾で知ってん。僕は海外でコーヒーにはまったから日本のカフェのことを全然知らなかったんやけど、台湾でよく通ってたコーヒーショップの店員さんに「今度日本のコーヒー屋の豆を集めてるお店がオープンするよ」と教えてもらって。
ルダイ
リロコーヒーと親交の深いリョウコさんのお店「根本在旅行 | Drink Like a Local」ですね。リロコーヒーのお豆もずっと前から取り扱っていただいています。
ヨシ
そうそう。そこでリロの「ドミニカ ラミレス農園」を飲んだ。美味しかったなぁ。それからリロに興味を持って、大阪のお店だということやインスタライブを毎日やってることを知った。
ルダイ
リロのコーヒーを初めて飲んだのが台湾だなんて、珍しい出会い方ですね(笑)
ヨシ
そうやな(笑)
台湾に来てからドリップコーヒーを淹れ始めたけど、日本は台湾よりもさらにドリップ大国やね。日本に帰ってきてからさらにドリップにはまってる。
ルダイ
ニュージーランドもオーストラリアも、ドリップではなくエスプレッソドリンクが主流ですもんね。
リロコーヒーの豆の種類ごとにおすすめ抽出レシピを紹介しているLiLo Coffee Lifeで、ヨシさんは何十種類ものドリップ抽出レシピを考案してくださっています。
ヨシ
それに、深煎りのコーヒーの魅力に気づいたのもリロに入ってから。
ルダイ
へぇー!そうなんですか。
ヨシ
浅煎りが好きやし、これまでいた国では浅煎りばかり扱っていたからね。
だけど、リロのエチオピア深煎りや、最近はルワンダ バランバが驚きの美味しさで。
なんというか、また飲みたくなる、癖になる。いやぁ、まだまだ知らない味わいがあって、コーヒーはどこまでも深いね。
ルダイ
リロで働きだしてからの話も聞かせてください。
オーストラリアやニュージーランドでは「マイカスタマイズ」を持っているお客さんが多く、いつも同じものを注文するとおっしゃっていましたね。
一方LiLo Coffee Roastersはコーヒー豆を20種類以上用意している上、アメリカ村という土地柄もあり初来店のお客さんも多い店です。お客さんの気分や好み、天気に合わせて、豆の種類や飲み方をバリスタが一緒に考えます。
ヨシ
そうやね、働き出した頃は、同じコーヒー屋でも今までとスタイルが全く違うから戸惑った。でも最近はお客さんに合う豆をお客さんと一緒に選ぶのが楽しいな。
ルダイ
ドリンクを素早く作るだけではなく、より「バリスタの意見、視点」がお客さんの飲む一杯に関与しますよね。
ヨシ
うんうん。働き出した頃は、「お兄さんのおすすめで」と言われるのにドキッとしてた(笑)
この人の一杯を僕が決めていいのかという怖さと緊張があった。
ルダイ
そうなんですね。
ヨシ
なるべくお客さんのイメージに合ったものを出したいという思いが強すぎて、おすすめを聞かれているのに「スッキリめがお好きですか」「どんなフルーツがお好きですか」と質問し過ぎていたなと思う。
今は、俺のおすすめを飲んでもらえる〜っていうのにワクワクしてる。この人はこの豆かな〜これ是非飲んでもらいたいわ〜!みたいな(笑)
ルダイ
僕も、目の前のバリスタさん自身が大好きな一杯を淹れてくれると思うとワクワクします。豆の種類が多すぎてわからなくても、最後はバリスタに任せれば美味しいコーヒーが飲める!と信頼されているのが嬉しいですね。
ヨシ
コーヒー豆の種類も浅煎りから深煎りまで本当にバリエーション豊富で、バリスタの僕らも楽しい。
ルダイ
それに、ラインナップも毎月目まぐるしく変わりますもんね。
ヨシ
それも楽しみの一つよね。
「エクアドルもうなくなるんか〜〜寂しい〜持って帰りたい〜」って思う。
ルダイ
ヨシさんはいつも終売になる豆との別れを惜しんでいますね(笑)
ヨシ
働いてる身だけど気持ちはお客さんと一緒やね(笑)
(第3回「少年の目 / 濃いアットホーム」 へつづきます)