(聞き手:田川流大)
一年間のLCR勤務を経て、リロ珈琲喫茶という新天地で歩み始めたタクミくん。
試行錯誤を楽しむその性質によって築かれた膨大な知識と抽出技術は、
そのまま引き出しの多さとなり 常にお客様の期待以上のパフォーマンスを発揮します。
その凄まじい進化の速さは、タクミくんのずば抜けた行動力をしてこそ成し得ることです。
今後 喫茶のヒロナさんやサノさんに多くを学ぶことで今まで以上に人間的な幅を広げ、
唯一無二の魅力をぐんぐん伸ばしていくことでしょう。
第5回
一年目の悩み
ルダイ
タクミくんはNZから帰ってきて、そのままリロで働き始めたんですよね。
タクミ
うん。
ルダイ
2020年の4月なので、一年と少し前のことですね。
言葉を選ばずに言うと、リロのことをあまり知らないまま入社した、らしいですね(笑)
タクミ
そうだね(笑)。リロという組織を深くは知らずにやって来た。
ルダイ
最近タクミくんからポロッと聞いたのですが、この一年は悩んでいる期間が長かったそうですね。
タクミ
うんうん。
ルダイ
お客さんとしてリロに通っていた僕には、タクミくんは「ザ・かっこいいバリスタ」のようにしか見えていなかったです。お客さんとのコミュニケーションも上手で、専門的な話も、英語も流暢に話せて。自信が漲っていてかっこいいなぁと思っていました。
タクミ
もちろんお客さんの前では悩んではいなかった。ただ、リロという組織の一員としては悩んでいたかな。みんなすごいから。
ルダイ
ほう。
タクミ
2回、3回会いたいと思われるバリスタは、きっと第一印象のかっこよさだけではない個性や愛嬌があるんだろうけど、自分にはあるのかなぁ、と。
ルダイ
なるほど。何回も会いに来てもらえるような個性を探してたということですか?
タクミ
そう、何か個性を付けなな、と焦ってた。
ルダイ
ほう。
タクミ
リロに必要なひとになりたかったから。色々探してた。
ルダイ
うんうん。
タクミ
話していてわかるかもしれないけど、僕はいろんなことに興味があるんよね。
ルダイ
はい。
タクミ
そのせいか、自分の軸が見えにくい。だから、自分はどういう軸を持って動けばいいんやろっていうことを一年ずっと考えてた。
ルダイ
なるほど、軸は見えるようになりましたか?
タクミ
まぁ、自分がしたいようにやるしかない、と割り切れたかな。それに、前までは独りで自分について考えて悩んでいたけれど、最近は人に聞けるようになった。
ルダイ
おぉ〜、いいですね。
タクミ
悩むよりもやってみた方が早かったり、周りに聞いてみた方が答えが見えたりするから、自分だけで考えすぎないようになったかなぁ。
ただ、僕は自己表現をすることが少ないから、そういうところを増やしていけたらなぁ。
ルダイ
対面ではずーっとおしゃべりできる印象ですけどね、タクミくん。
タクミ
そうそう、こうやって会ったらめっちゃ喋んねんけど、SNSではあんまり発信してないし。
ルダイ
自分の考えていることや好きなものを発信したいという欲求があまりないんですか?
タクミ
…ないなぁ。発信で言うと、文字を書くのがすごく苦手。
ルダイ
あ、学生時代授業でノートを取るのも好きではなかったですもんね(笑)
タクミ
「完璧にしたい」という気持ちがあるんよね。授業ノートにしてもSNSの発信にしても、完璧に書きたいからこそ、そのスキルがないからやめちゃう。
ルダイ
なるほど。中途半端が嫌なんですね(笑)
タクミ
そう、中途半端に書いた授業の板書メモは破って捨てたりしてた。
ルダイ
えぇ〜それは相当ですね!
(最終回「日々、学んで気づいている。」へつづきます)