(第1回)こうしてリロに来た

(第2回)「楽しい」コーヒー屋

(第3回)それぞれの魅力

(最終回)好きなもの


 

 

 

最終回
好きなもの

 

ルダイ

もう一つだけお聞きしていいですか?

コーヒーは皆さん好きだと思うんですが、コーヒー以外に好きなものを一つ聞きたくて。

 

ユウキ

私は大阪ですね。

 

ルダイイショ

おお〜!

 

ユウキ

人との距離感がいいなと思います。自然にスッと懐に入ってきてくれる人が多いなと感じていて。

 

ルダイ

ほうほう。

 

ユウキ

大阪弁きついよっていう人も多いと思うんですけど、大阪のおばちゃんが使う方言はすごく優しいなと。

本当に、その言葉ってずるいなと思っていて、「ごめんね」の一言でも大阪弁で言われると許しちゃう(笑)。

 

ルダイ

ほぉ〜。

 

ユウキ

八百屋さんで野菜詰め放題を一人でしていても、「え、それ詰めれる〜?」と言ってくれておばちゃんと仲良くなったり…。

スッと距離を詰められるのが大阪という土地かなぁ。

 

ルダイ

買い物ひとつとっても、「お金を払って商品を受け取る」だけの行為の隙間にちょっと「人間らしさ」を感じられるコミュニケーションがあるんですね。

 

ユウキ

それは本当にこっちの人の魅力だと思います。

 

ルダイ

先ほどから話を聞いていて、ユウキさんは人と人のちょっとした会話にすごくアンテナを張っているなと思いました。会話の内容というよりむしろ話し方やちょっとした空気感に温度を感じているんですね。

 

ユウキ

ああ〜。

 

ルダイ

この前も「イショちゃんの『ありがとう』がずるい」っていう話をしてましたもんね。

 

ユウキ

あ〜すごいずるいの。すごくいい。

同じ「ありがとう」でも私の言うとズンッて言う感じなんだけど、イショちゃんの言う「ありがとう」はまるいんですよね。あったかいの。

 

イショ

ありがとう。

 

ルダイ

出た出た(笑)。

 

イショ

ユウキさんは日報がすごいです。すごい。

 

ルダイ

毎日リロ全体で共有している日報の、ユウキさんの文章が本当に毎日アツい長文なんですよね(笑)。

 

イショ

感情溢れるくらいの日報です。温度が感じられます。

 

ルダイ

ユウキさんは人の言葉に敏感に温度を感じているし、それをテキストに乗せて表現できているのがいいですよね。

 

イショ

うんうん。

 

ユウキ

嬉しい、嬉しいです(笑)。

 

ルダイ

これは、これからどんどん力を発揮していきましょうね!

イショちゃんは何が好きですか?

 

イショ

ちょこ。

 

ルダイ

ちょこ。

 

イショ

チョコとコーヒーは同じように好きです。コーヒーがFrom Seed to Cupというように、チョコもBean to bar。チョコも産地ごとにシングルオリジンで比べられて面白いです。フルーティなチョコもあるし、コーヒーと同じです。

 

ルダイ

イショちゃんは違うものを比較したり、変化するものを探究するのが楽しいんですかね。

 

イショ

あと、私がなんでコーヒーとチョコが好きかというと、「このやり方がどうして美味しいのか」が、「感じ」ではなく科学的に解釈できるからです。

 

ユウキ

へぇ〜〜。

 

イショ

ただ知りたいです。

 

ルダイ

おお〜全然違いますね、二人とも。

 

ユウキ

ね〜。

 

ルダイ

コーヒー以外の好きなものでも、何かコーヒーに対しての向き合い方と共通点があるかなと思って聞いてみたのですが…。お二人の「これいいな」と思うアンテナが全く違うところに向いていることが分かって面白かったです。

これから新人3人組で、リロを盛り上げていきましょう!ありがとうございます!

 

イショ

え、ルダイくん何が好きですか。まだ聞いてない。

 

ルダイ

あ、僕ですか(笑)。

 

イショ

何が好き?(笑)。

 

ルダイ

いや、色々あるんですよ。

 

イショ

みんな色々あるんです。

 

ユウキ

あ〜(笑)。

 

ルダイ

ひとつ挙げると、器、コップ、ナイフみたいな、食器だけではないんですが「日常で使う道具」が’好きで。

ミケランジェロやラファエロの絵画を見ても「うまいな〜本物みたい」と思う程度なんですが、毎日使っている道具にいいなぁ〜かっこいいな、かわいいなと思うことがよくあります。

 

イショ

うん。

 

ルダイ

美しさを求めたものではなく。使われるために作られたもの。それなのにそんなに美しいんや」っていうところに惹かれるんです。

そんな感じです。

 

イショ

質問があります。

 

ルダイ

はい、どうぞ。

 

イショ

もしめっちゃ高い器を買ったとして、使いますか。

 

ルダイ

使います。

 

イショ

あー、そう!普通の人は使わずに飾るよね。

 

ユウキ

私使えないかもなぁ。

 

ルダイ

「使うこと」がすごく楽しいです。

同じ暮らしでも、全て100円均一の食器でご飯を食べるのか、自分がいいなと思ったものでご飯を食べるのかでは全く楽しさが違うと思っていて。そういった、使われてこそ輝きを放つものが好きだし、それを使うことによって生活が豊かになるという相互作用が好きです。

「大阪日本民芸館」という日用品を展示している美術館があるんですが、茶碗がショーケースに入っているのがすごくもどかしい。触らせてくれ〜と思います。

 

ルダイ

…。コーヒーと結び付けられなくて申し訳ないです(笑)。でも、その流れで自分の好きな道具でコーヒーを飲むのっていいよねという。

 

ユウキ

それって、これと同じかなぁ。今日セキネさんにアザラシのパンをいただいたんです。パンだから食べないと腐っちゃうんですけど、

 

イショ

(笑)。

 

ユウキ

セキネさんが選んでくれたし、アザラシだし…みたいな。これです(写真をイショちゃんに見せる)。

 

イショ

おお〜かっわいい〜!!

 

ユウキ

食べたいけど、食べれない!という状態に入ってしまって。「食べたい!でも!でも!」という。結局食べちゃったんですけど。

 

ルダイ

食べてる。

 

ユウキ

ルダイくんの言ってたこともそれと一緒?

 

ルダイ

うーん、少し共通点があると思います。それはそのアザラシのパンに、難しい言葉で言うと「文脈」が付いたということですかね。

 

イショ

うん。

 

ルダイ

物語ができたということですね。ただのパンにストーリーが生まれたことで、ユウキさんがパンに思い入れを抱いたんですね。

僕が今リロでやりたいこともこのアザラシパンに繋がると思うんですが、僕は一杯のコーヒーも、リロというお店も、スタッフも持っている物語を広く伝えていきたいんです。

丁寧に伝えていくことで、もっとリロを面白がってくれるひとが増えていくと信じています。リロにはこんなに面白い物語がたくさんあるんだということを、ひとつひとつ。

長々と失礼しました!ありがとうございました!

 

ユウキ・イショ

ありがとうございました!

 

(インタビューは以上です。ここまでお読みくださった皆さま、ありがとうございました!)

 

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