(第1回)未完成のまま進む

(第2回)巻き込まれたい。

(第3回)焙煎機とリロの味

(第4回)あくまで目的は「人」に向いている。

(第5回)焙煎士として

(最終回)深く深く、もっと拡げる。

 


 

 

 

第2回
巻き込まれたい。

 

ルダイ

長くリロコーヒーに来てくださっているお客様の中には、コーヒーを飲みに、というよりもケイタさんと話をしに来てくださっている方が多いですもんね。

 

ケイタ

もちろんコーヒーが美味しいということは大前提としてなければならないことなんだけど、それに加えて自分の持っている明るいキャラクターや面白い伝え方という武器を最大限に使ったという感じかな。

 

ルダイ

なるほど。

 

ケイタ

でもそれは「諸刃の剣」だなということも感じていて。

 

ルダイ

と言いますと。

 

ケイタ

僕の色が強くなりすぎると、お店として先がないなというのは早い段階で思っていた。

 

ルダイ

スタッフが増えていくことを見据えた時に「リロコーヒー=ケイタ」のイメージがつき過ぎていると…ということですね。

 

ケイタ

そうそう。初めの1、2年はお店を成立させるためにがむしゃらにやるしかなかったんだけど、ショーンやレイチェル(お二人ともリロの元スタッフ)が入ってきた頃からちょっとずつ整理をしていった感じかな。

というのも、僕はあくまでロースターなので。焙煎士でありながら僕がLCRの顔、つまりバリスタの代表のようになってしまっていたからね。

 

ルダイ

なるほど。

 

ケイタ

最初は僕も自分の色を全面に推し出していたので、二人とも最初はめっちゃ働きにくかったと思う。だから中村圭太はあくまで焙煎士である、という方向に形を変えるようにしようと。

 

ルダイ

なるほど〜。最初は大変だったと思いますが、いろんなスタッフが個性を発揮して輝いたからこそリロの魅力も多様になっていったんですね。

リロ珈琲喫茶がオープンしたのはLCRが4年目の時ですね。次は喫茶店を出したいということは以前から考えられていたんですか?

 

ケイタ

僕自身はそこまで思っていなかったんだけど、堀田にはずっとやりたいことがたくさんあって、喫茶もその中のひとつだったという感じかな。

僕は基本的に「堀田がやることに全力でついて行く」というスタンスを変えていないので。

 

ルダイ

ほう〜!それはリロに入社した時に決めたんですか?

 

ケイタ

そうやね。ただ、言いなりになるという意味ではなくて。

堀田は僕が自分で思いつかないようなことを発想できる人やから、僕は堀田と一緒にいてる。

その中で僕が一緒にいる意義として、堀田に無い部分を補うことができたらいいなと。だから堀田が喫茶店をやるという時にはもちろん全力でやるし。

 

ルダイ

そのために自分に何ができるかを考えるということですね。

 

ケイタ

そうそう。

 

ルダイ

なるほどー。それに、お二人とも「楽しむこと」に全力でいらっしゃいますよね。

 

ケイタ

うーん。楽しいことだけをしたいので、楽しくないことはしないんですよ。楽しいことをしている時が楽しいです。

 

ルダイ

おお(笑)。どんなことに楽しさを感じるんですか?「人」ですか?

 

ケイタ

それが結構幅広くて、色んなことを楽しいと思っちゃうんよね…。

でも、やっぱり自分が思い付かないことをやる時かな。だから必然的にそこには「誰か」がいるね。

 

 

ルダイ

巻き込まれる感覚がいいんですかね。

 

ケイタ

そう、巻き込まれたいねん、僕。堀田には巻き込まれたいから一緒にいる。自分でもそこは結構振り切ってると思う。

 

ルダイ

ほうほう。

 

ケイタ

これまでいろんな職種を経験してきた中で、自分でイノベーティブな活動をすることにはにあまり面白みを見いだせなくて、代わりに自分では考えれへんようなことに巻き込まれる体験に楽しさを感じると気づいたんよ。

 

ルダイ

ほう〜、面白い気づきですね!

 

ケイタ

その中でどこに自分の存在意義を発揮していったらいいかというと、全力で二番手になることで。

二番手という言い方が適切かはわからないけど…「サポート」というか。

 

ルダイ

0から1を生み出すのではなく、ということですね。

 

ケイタ

そう。そこの位置を極めるということに振り切ってから、自分自身すごくやりやすくなったし、力を発揮できるようになったかな。

だからと言って自分で何も生み出したくないというわけではないけどね。

 

ルダイ

なるほど。ケイタさんは1を100に膨らませたり、前に進める力のある人だからこそ、どんどん新しいことを創造する堀田さんといい関係性なのかもしれないですね。

 

 

 

(第3回「焙煎士とリロの味」へつづきます)

 

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