(第1回)良いカメレオン / 区別と細分化

(第2回)かわいいを見逃さない / 悪いカメレオン

(第3回)グラデーション カシカ 

 


 

第1回
良いカメレオン / 区別と細分化

 

 

ルダイ

今日はよろしくお願いします。

 

セキネ

お願いしまーす。去年はどんな話をしたっけ。

 

ルダイ

セキネさんがマネージャーの仕事としてどんな仕事をしているか、そしてセキネさんが表現者となる「セキネの茶会」についてのお話などを聞きましたね。

 

セキネ

そうやったね。会社でどんな働きをするか、そして個人として何をしていこうかという軸は去年から変わってないかな。でも、日々のいろんな気づきの頻度は高くなってきてる。

この一年で、自分の考えが変わることって普通なんだと思うようになって、最近は感覚や考えをこまめにアップデートしてるね。

 

ルダイ

ほうほう。

 

セキネ

今日のテーマは、「今ワクワクしてること、チャレンジしたいこと」か。

最近、自分ってカメレオンだなと思うのね。

 

ルダイ

か、カメレオンですか?どういった意味でしょう。

 

セキネ

カメレオンについて詳しいわけじゃないんやけど(笑)

カメレオンは周りの環境に合わせて擬態をして、外敵から身を守ったり獲物を捕まえたりするよね。私にもそういう、周りの環境に擬態できるという特性があって、それが仕事にも私生活にも影響を与えてるなということがわかったの

 

ルダイ

擬態、ですか。その特性は、リロコーヒーでの仕事にはどう影響しているのですか?

 

セキネ

仕事に関しては「良いカメレオン」だなと。

リロがやりたいことは、イコールで社長の堀田さんがやりたいことだよね。

私は堀田さんの考え方や堀田さんから聞いたことは理解できるし、堀田さんが楽しそうと思ったことにはまあまあ高い精度で共感できる。

 

ルダイ

なるほど。

 

セキネ

堀田さんの考えをズレが少なく伝えることが得意だから、もっとやっていきたいと思ってるね。

 

ルダイ

確かにこの一年、リロのメンバーと堀田さんの橋渡しとしての役割を担うことも多かったですよね。

 

セキネ

そうやね、今まではスタッフ個人やチームに向き合って、それぞれへの伝え方を考えてきた。だけど今は、みんながひと回り大きくなったなという感覚があって、私の仲介は必要無くなったな。これからは過保護に関与し続けるつもりはなくて、マネジメントの形も変わっていくんだなと思ってる。

 

ルダイ

セキネさんはこの一年間で、リロのメンバーが数人のチーム単位でいろんな問題を解決できるように、コミュニケーションの取り方や枠組みを考案・共有してくださいました。チームの問題解決力だけでなく各メンバーが個人的に成長したことで、今までのマネジメントから手を離れつつあるんですね。

 

セキネ

それで次に何をしたいか考えた時に、次は外に目を向けるべきなのかなと。今年の6月はリロにデザイン事務所ができて、コーヒーの卸先様も増えてきたしね。

 

ルダイ

社内のマネジメントではなく、リロの外に向けてリロを伝えていくということですか?

 

セキネ

そうそう。リロを全く知らない人たちに私たちを伝えるためにはどうしたらいいのか。

リロの核となるのは堀田さんやから、そこを伝えられる人が増えていった方がいいよね。

今まで全然やってこなかったぶん、「カメレオン」のいい面を利用してこれからチャレンジしたいね。

 

ルダイ

セキネさんは仕事をする上で「現状把握」と「伝えること」を大事にしているとよくおっしゃっていますが、伝える先が広く外側を向いたんですね。

 

セキネ

そうそう、外の人にリロを伝えようと思ったらこれまでとやり方が全然違っていて。もっと区別と細分化が必要だなと。

 

ルダイ

どういうことでしょう?

 

セキネ

「リロを伝える」という目的があって、まず「これは内側に伝える、これは外部に伝える」と目的の方向性で伝える内容を区別するよね。そのあと、目的を達成するために、相手がどんな人かによって伝え方や手法を細分化させる。

 

ルダイ

なるほど。

 

これが区別で…。

 

パッ。これが細分化(本人談)

 

セキネ

私は、どんな仕事も対「ひと」であることを常に感じていたい。そしていろんな人にうまく伝えるためには、細分化が必要だなと思うのね。細分化、区別というとロジカルに計算しているように聞こえて、そういうことは好きじゃないんだけど。言葉にできない部分で、あらゆる状況を大事にしたいな。

 

ルダイ

相手を「この人はこのパターンだからこうアプローチすればいい」と記号のようにラベリングするのではなく、そうですね、なんといえばいいのか…

 

セキネ

言語化が難しいね(笑)

 

ルダイ

例えば、「サードウェーブコーヒー」という言葉が生まれることで、コーヒーをとりまく環境に新たに輪郭が与えられ一つの潮流として認識できるようになったのと同じで、セキネさんが相対したひとを一人ひとり別個のケースとして丁寧に見つめたい、ということでしょうか。

 

セキネ

そやね、それは大事やと思う。ただこの細分化を無理に言語化しないようにはしてる。というのも、この1、2年言葉に頼りすぎてたなというのが反省点としてあるのね。言葉と対象がぱちっと対応することは、誰かと情報を共有する上では必要だけど、自分の感覚を言葉にぴっちり当てはめる必要はないかなと思うようになった。

 

ルダイ

ええ、そうなんですね!

 

セキネ

今までは、自分の感覚に合う言葉をずっと探し続けて、あらゆることを言葉を軸に考えてた。それがいきすぎて、「言葉がないから私には何もできない」と無縄自縛*だった。

でも、本当は感覚があるから言葉が必要なだけなのよね。私の感覚にぴったりきた言葉を見つけられたとしても、その言葉が読み手や聞き手にどう解釈されるかはわからないし。

 

ルダイ

なるほど。確かに、言葉に限らず表現したものは常に誤読される可能性をはらんでいますよね。


*無縄自縛:仏語。もないのに、みずからわが身をしばること。迷者は迷いに、悟者はさとりにとらわれて、自由になることのできない状態をいう。


 

  

第2回「かわいいを見逃さない / 悪いカメレオン」 へつづきます) 

 

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