第2回
かわいいを見逃さない / 悪いカメレオン
ルダイ
以前、セキネさんが「あらゆるインプットや思考は、全て頭の中で活字に変換して蓄える」と言っていたのを覚えています。それほど言葉を重要視している方なので、セキネさんが言葉を「見限った」のはとても驚きでした。
セキネ
そうやね、うんうんうん。
言葉に変換にすると自分が感じた感覚も記憶に残りやすいのは確かなんやけど、今までは「あっかわいい!」と思ってもどう良いのかが言葉で説明できない時は、その感覚を無いものとして忘れてしまってた。だから自分の好き嫌いをパッと言えないでいたのよね。
ルダイ
なるほど。
セキネ
自分の感覚をおろそかにしてたなぁと思う。
だから最近、私生活では感覚を大事に、今はわからないけどなんか良いと思う、言葉にできない「かわいさ」をちゃんと捕まえておくよう意識してる。
ルダイ
その意識を持つと、日常生活でかわいいものに気づくことが増えましたか?
セキネ
増えたね。まだ言語化できてないんやけども、私はものの向こうにいる人にフォーカスがいくとわかった。
これかわいい、と思ったものや表現物を辿っていくと、ジャンルは違っても私が共感できるマインドを持った人たちに行き着くから、そこで気がつくことがあったり。
ルダイ
なるほど。セキネさんは最近いろいろな所に出掛けていますね。
セキネ
そうやな。リロ以外の知り合いも増えてきた。
今まではリロだったらリロ、と自分は一つの世界しか持つことができないと思っていて。
プライベートで他の世界に踏み込むと、リロでの自分がよくなくなってしまうと思ってたのね。
ルダイ
ほうほう。
セキネ
最近、なぜ自分がそう思っていたのかがわかってきた。さっき話した「カメレオン」の悪い一面だったの。
ルダイ
周りの環境に順応することですね。どのように悪くはたらいていたのですか?
セキネ
新しい環境に飛び込むと、私が楽しいか楽しくないかは関係なく、無意識で周りに合わせちゃうの。そこが苦手な場所だとしても、自分が嫌だと気づかず、なんとなくいちゃうのね。それでいつの間にか疲れている。
ルダイ
ほう。
セキネ
どこにでも馴染めるけれど、それは自分の好き嫌いのセンサーがオフになっていたからだとわかった。だからリロのほかに自分に合う場所を見つけられなかったのね。
ルダイ
なるほど〜。マネージャーとして、リロのみんなや堀田さんの考えを汲み取りチームが前に進むために動き回る一方で、私生活でも周囲の環境に過剰適応してしまっていたのですね。
セキネ
仕事する上で「カメレオン」は私のいい特性になっているけど、「かわいいを見逃さない」センサーを働かせることは私生活においては重要なんやとわかった。
ルダイ
今は自分の感覚を大事にしてるし、良いと思うことにアンテナを立てているから、良いと思った人や場所と関われるようになったということですね。
セキネ
そう、それをすることで、リロでの仕事にも良い影響が出てると思う。
ルダイ
いろんな方との交流が増えて、これからセキネさんに起きる変化がますます楽しみですね。
(第3回「グラデーション / カシカ」 へつづきます)