第3回
支えたい / 日常の中に
ルダイ
ナミさんがこれからやっていきたいことは、現在の延長と言いますか、コミュニケーションの幅を拡げて、より多くのお客さんが集まりたくなる空間を作っていくことでしょうか?
ナミ
そうやね、「チャレンジ」と言われると難しいなと思うんやけど、私は今の環境をもっと広く深くしたいと思っていて、もっとたくさんの人の日常のなかにリロが入っているようにしたいな。
ルダイ
これは、目的の達成ラインが分かりにくいことではありますね。
ナミ
そうね、今やってることは結果が見えないんよね。それが私は嫌かなと思ってたんやけど割と好きみたい。私からしたら、お客さんがもう一回来てくれたことが結果かな。リロを思い出したから来てくれたんかな、よっしゃ!みたいな。
ルダイ
いいですね(笑)
ナミ
ふらっと店の前を通ったときに「ナミちゃんいるかな」と覗いてくれるだけでも本当に嬉しい。それはその人の頭の中にリロや私が入ってくれているということだから。この感覚!これが好きなんや〜って思う(笑)。
ルダイ
なるほど。
ナミ
今は、初来店のお客さんに、その一回で「なんかここ居心地いいなぁ」と思ってもらうためにコミュニケーションの引き出しを増やしてる。この「なんかいいな」というのが大事で、日常生活のスキマでふと思い出してもらえるような空気をつくりたいんよね。
ルダイ
お店の居心地がいいと、美味しいコーヒーを飲みに来るだけでなく、ただゆっくり楽しい時間を過ごしたいという目的でも来ていただけますもんね。
コーヒー専門店は敷居が高いと思ってしまう方でも関係なく、どんな人でも来たくなるお店は素敵です。
ナミ
そうそう。「居心地がいいなぁ」でお店に来ていて、いつの間にかコーヒーを好きになってもらえたらすごく素敵なこと。
私はお店の間口を目一杯広げて、そこからコーヒーに興味を持ってくれた人には、キョウスケやヨシくんになんでも聞いてください!と全力で伝えたい。私は自分の役割として、コーヒーを好きになるまでの、入りやすい入口をつくりたい。
ルダイ
まさにチームプレーですね。
ナミ
ヨシくんとキョウスケには感謝してる。二人にはたくさん迷惑をかけてると思う。
私が外でお客さんとお話する間は完全に抽出を任せてるし。チームで話し合って決めた分担を二人ともすごく応援してくれて…。支えたいけど支えてもらっているのもすごく実感してるから、その分また二人を助けたい、二人のことを多くの人に知ってもらいたいなと思ってる。
ルダイ
リロのみんなに対してもお客さんに対しても、絆といいますか愛情が強いですね。
ナミ
昔は、みんなに好かれたいなという気持ちが強かったんやけど、今はひたすら支えたい、尽くしたい、癒したい(笑) お節介だね。
あとは、今のポジションを提案してくれた社長のために、というとおこがましいけど、そういう気持ちがあるからなんぼでも頑張れる。リロのために、キョウスケのために、ヨシくんのために、お客さんのために、好きな人たちのために。
自分のために、が一番頑張られへん。
ルダイ
以前、月に一回のリロ全体ミーティングで、堀田さんが「Doing(行動)↔︎Being(状態)」「チーム↔︎個人」の四象限に分けて現状を認識する方法を話されていました。
ナミ
うんうん。
ルダイ
この分類で考えると、ナミさんが得意で、かつパワーを注ぎたいのは「チームのBeing」をいい状態にすることで、それは結果的にお客さんを含めたLiLo Coffee Roasters全体の空気感をよくすることにも繋がっていると思います。その前提として、バイクやサウナといった「個人のBeing」をととのえる方法を会得したからこそ、今ナミさんがやりたいことに全力を注げているんだろうなと思いました。
ナミ
そうだねぇ。自分のコントロールができてきたのは大きかった。これが定着していけばいいな。がーっとメンタルが落ちると他の人が見えなくなることに気づいたね。みんなをよく観察したり助けるのが自分が一番したいことなのに、余裕が無くなったら思考が自分にしか向かなくなっちゃうやん、ちょっと待て自分と。
ルダイ
うんうん。
ナミ
自分をととのえられると私自身働きやすいし、全部いいよな。もちろん今でも完璧ではないけどね。
今私がみんなを支えてるかというと、二人が支えてくれてる方が大きいんじゃないかな。
ヨシくんとキョウスケのおかげやね、私が外でお客さんとお話できたり、好きな自分でいられるのは、絶対誰かが支えてくれてるから。そこは絶対忘れたらあかんなと思いながらいつも仕事してる。早く恩返ししたいなぁ。
ルダイ
ナミさん、キョウスケさん、ヨシくん。3人の結束がこれからどんどん密になって、LiLo Coffee Roastersをさらに面白く、居心地のいい空間にしていくのが楽しみです。ありがとうございました!
(インタビューは以上です。ここまでお読みくださった皆さま、ありがとうございました!)