第2回
好き / アンテナを立てる
ケイタ
僕は誰よりもコーヒーを好きで、誰よりもコーヒーを知ってなあかん。圧倒的にやらなあかんなと改めて思った。
ルダイ
すでに、これ以上ないくらいコーヒーが好きだと思うのですが…。それ以上となると何をするのですか?
ケイタ
まずは、コーヒーのエキスパートでい続けるために、大会の成績、資格は最低限取っていく。大会はエントリーするだけで狭き門なんやけどね。
ルダイ
なるほど。
ケイタ
その上で、僕自身コーヒーが最高潮に好きやというだけでは足りなくて、そのことがちゃんと伝わるよう努力することが大事かな。
方法は色々あると思うけど完璧に伝わることはあり得ないから、相手に「ケイタはコーヒーを100好きだよね」と思ってもらうためには、コーヒーを300くらい好きになる必要がある。
ルダイ
そうですね。コーヒーの面白さ、楽しさを全力で伝えるのは当然ですが、そもそも僕たちがどれだけコーヒーのことを大好きなのか、が抜け落ちてはいけませんね。
ケイタ
「好き」という感情のエネルギーは人を動かすなぁと思う。
最近気づいたことがあって。今まで行かず嫌いしていたサウナをひょんなきっかけで大好きになったんやけど、自分の中にサウナの「アンテナ」が立っただけで、今までたくさんの情報の中に埋もれて素通りしてきたサウナの情報が、一気に入ってくるようになったんよ。
ルダイ
ほうほう。ケイタさんの中に「#サウナ」が生まれたんですね。
ケイタ
今までいろんな人間の考え方、ものの捉え方、人との関わりを経験して41歳になってるわけやけど、今この新鮮な感覚を味わえたことがめちゃくちゃ大きい。
この感覚や。コーヒーでもいろんな人にこの感覚を感じてもらわなあかん、と。
ルダイ
おお。
ケイタ
ただスペシャルティコーヒーや僕たちの認知が広がっても、その中で自発的に情報を取りに行くくらい熱中してくれる人(つまりコーヒーアンテナが立った人)が増えて行かないと、その後の広がりがないと思うんよな。「好き」のアンテナを立てることが僕の使命。アンテナが立つと、本当に視界が変わる。
ルダイ
なるほど、「アンテナを立てる」という目的は、去年のインタビューでおっしゃっていた「コーヒーを拡げたい。深めたい。」を同時に達成させるような言葉ですね。
ただスペシャルティコーヒーやリロコーヒーの認知を広げるだけでは不十分で、そこに「好きの強度」も大事だとおっしゃっているんですね。
ケイタ
そう、強度。強度やね。それがないと、楽しさが続かない。
ルダイ
その点、リロコーヒーはコーヒーが美味しいだけのお店ではないので、味のクオリティ以外にもアンテナの立て方はたくさんありますよね。
ケイタ
そうよね、本当に。リロだから立てられるアンテナがめっちゃある。いろんなことを多角的にやり続けたからこそ、シナジーが生まれてんなぁと感じることも増えたよね。今までアプローチできなかった人たちにコーヒーを知ってもらえたり。
ルダイ
そうですね。この一年間は、特に会社としての枝葉の成長がすごかったですね。僕はリロ歴が浅くこの一年しか知りませんが…(笑)
餃子屋「餃子とリロと〇〇と」ができて、新ブランド「COFFEESAUNNERS」が立ち上がり、デザイン事務所まで。
(第3回「知らないことを知る / ワクワク」 へつづきます)