第2回
シンプル / 成長
ルダイ
イショちゃんは周年で、チョコレートの bean to bar 食べ比べセットに取り組みます。具体的にはどんな内容なのでしょう?
イショ
これは、カカオ豆の焙煎からチョコレートに仕上げるまで私が全部作り、2種類のカカオで作ったチョコレートを食べ比べていただけるセットです。
リロコーヒーでコーヒー豆も買いつけている(8月下旬リリース予定)ボリビアのルーベンさんから「EL CEIBO(エルセイボ)」のカカオ豆を仕入れました。一つはオーガニックのカカオ豆、もう一つは野生のカカオ豆です。
ルダイ
野生のカカオ!そんなものがあるんですね。
イショ
作り方は途中までコーヒーととても似ていて、まずは状態の悪いカカオ豆をピックして取り除きます。それから大きさによって振り分けて、焙煎して皮をむき砕いたら、砂糖を加えながら練り上げます。最後にテンパリング(チョコレートに含まれるカカオバターの結晶を最も安定した状態にする温度調整作業)をして、成形です。
ルダイ
焙煎の方法や練り上げなど、苦労した点がいくつもあったと聞きました。
イショ
はい、とても難しく、何度も検証しました。焙煎は最初オーブンを使っていたのですが、最終的にハマ珈琲の焙煎機を使用することに決めました。熱効率が良く、香り高く焙煎できます。焙煎の考えもコーヒーと似ていて、酸味を残したければ焙煎を浅くし、コクと苦みが欲しい時は深煎りに焙煎します。
ルダイ
ハマさんの焙煎機は、LiLo Coffee Roastersが創業してケイタさんが最初に使っていた焙煎機ですね。8周年のタイミングで、ケイタさんと一緒に仕事をしているイショちゃんによってもう一度使われることにストーリーを感じます。面白いですね。
イショ
そうですね。砂糖を入れるタイミングでも完成品の味が変わるので、とても苦労しました。
ルダイ
去年のインタビューでも話していましたが、イショちゃんはスペシャルティコーヒーを好きになったのと同じベクトルでbean to barのチョコレートにはまったそうですね。
イショ
そうなんです。スペシャルティコーヒーを知るよりも前、日本に来た頃にbean to barのチョコレートショップに出会って、チョコレートが好きになりました。
私は甘いものが苦手なんだけど、bean to bar のチョコレートはフルーツのような酸味があってとっても美味しかったんです。チョコレートに酸味があることをその時初めて知りました。
ルダイ
イショちゃんはフルーツのような自然な甘酸っぱさが好きなんですね。
イショ
素材の味がする、シンプルな食べ物がとても好きです。
今までは食べることが大好きなだけだったけれど、この機会に作らせていただいて、とても勉強になっています。
ルダイ
うんうん。イショちゃんは毎日ケイタさんと一緒に働いています。一年弱共に仕事をしてきて、ケイタさんはどんな存在ですか?
イショ
ケイタさんはお客さんには常に明るく元気です。明るいだけではなくて、仕事に対してはいつも真っ直ぐ真面目でシビアです。仕事の質や時間の把握の大事さを何度も私に伝えてくださいます。
ルダイ
ケイタさんはリロの中でも誰よりもストイックで、リロコーヒーを始めるまでにも数えきれないくらいの職種をこなしてきた経験豊富な方です。ただイショちゃんに自分のサポートをしてほしいだけではなくて、イショちゃんがこの先どこで何をする時にも困らないように、仕事への向き合い方や考え方を一生懸命伝えてくださっているのだと思います。
イショ
私は作業に集中すると日本語で話すのが難しくなってしまいますし、まだミスが多いです。
ルダイ
以前ケイタさんがおっしゃっていましたが、堀田さんもケイタさんも、ミス自体を怒ることは絶対にありません。ミスをしないようにどう動くか、ミスからイショちゃんが何を学ぶかに期待しているんですね。その姿勢を忘れなければ、ミスの数だけ成長できますから。きちんと見てくれる上司がいるのは幸せなことです。
僕はひたすらイショちゃんを応援しますね(笑)
イショ
はい(笑)
ルダイ
遠い未来でも、この先チャレンジしてみたいことはありますか?
イショ
私のように甘いものが苦手な人はたくさんいると思います。そんな人たちがスペシャルティコーヒーをもっと楽しめるように、塩味のペアリングを考案したいです。
ルダイ
いいですね!僕は甘いものが大好きなのでまったく思いつきませんでした(笑)
イショちゃんならではの発想だと思います。
リロコーヒーは、できる限りスタッフがのびのび個性を発揮できるようにと考えるチームです。会社の中でチャレンジできる環境は整っていると思います。チャレンジさせてもらえるかどうかは、どれだけ結果を残しているか、どれだけ信頼されているかにかかっています。半分僕に言い聞かせている言葉でもありますが…
イショちゃんもやりたいことを仕事として取り組めるようになるために、今任されている役割でどんどん活躍していきましょうね!
イショ
ありがとうございます!がんばります!
(インタビューは以上です。ここまでお読みくださった皆さま、ありがとうございました!)