第1回
ファクトリー / つくる
ルダイ
イショちゃんは、去年のインタビューをした頃はLiLo Coffee Roastersに勤務していました。今は焙煎所のファクトリー(LiLo Coffee Factory)に勤務地が移りましたね。
イショ
はい、今はファクトリーでケイタさんと二人で働いています。
ルダイ
ファクトリーではどんな仕事をしているんですか?
イショ
まずは、焙煎日にケイタさんの焙煎サポートをしています。ケイタさんが出勤するまでに焙煎機の暖気運転(焙煎機を温めること)をして、その日に焙煎する豆の準備をします。1日に20種類以上の豆を焙煎するので、間違わないように注意しなければいけません。
ルダイ
うんうん。
イショ
それからリロコーヒーのコーヒー豆を卸している取引先様用に納品書を作成したり、豆を梱包する豆袋を用意したり、発送用の伝票を用意しています。
ルダイ
なるほど。ミスが許されない、神経を使う仕事ですね。
イショ
はい、朝の時間に1日の段取りをきちんと組み立てておかないと時間内に間に合わず卸先さまにご迷惑をかけてしまいます。
焙煎日の翌日は、クオリティーチェックのカッピングから始まります。
ルダイ
前日に焙煎したコーヒー豆のテイスティングをして、焙煎ミスがないかチェックしているのですね。
イショ
そうですね。カッピングも量がすごくて、多い時には30種類くらいを一気にカッピングします。他にも、インポーターさんから届いたサンプルのコーヒー豆の味をチェックして、リロコーヒーが買いつける豆を選んでいます。
あとは、リロ珈琲喫茶やLiLo Coffee Roastersで提供しているアイスも私が作っています。
ルダイ
バニラアイス、ラムレーズンアイス、そしてエスプレッソアイスですね。アイスは元々喫茶で作成していましたが、すべてイショちゃんがファクトリーで作ることで、喫茶のスタッフがより接客や抽出に集中できるようになりました。
イショ
私は何かを作って完成させるのがとても好きなので、アイスを作るのは楽しいです。まだ途中ですが、佐野さんからビーンズチョコレートの作り方も習っているところです。
ルダイ
ヒロナさんは、イショちゃんが「ここがこう問題があるので〜を変えてみたいのですがいいですか?」「これをこうするともっとよくなると思うので検証して結果をご報告してもいいですか?」と、自分から課題を見つけて相談してくれるので、とても信頼できるとおっしゃっていました。ファクトリーの店頭にディスプレイしているメニューも、来てくださるお客さんにとってわかりやすいように新しく作ってくれていましたね。
イショ
はい。食材をなるべく無駄にしたくない気持ちがありますし、色々検証していいものを作り上げるのが好きです。
ルダイ
ファクトリーでは、焙煎後1ヶ月以上エイジングしたアウトレットビーンズの販売と、全自動ドリップマシンのPour steadyを使用したコーヒー提供も行っています。イショちゃんはエイジングしたコーヒー豆の美味しさが一番よく出るように、自発的にレシピを研究してPour steady用の抽出レシピを生み出しました。
イショ
ありがとうございます(笑)浅煎りのコーヒーを淹れる時は、粗く挽いて蒸らし時間を短く、全体の抽出もさっと終わらせることで、えぐみを出さずに豆の味わいをできるだけ出しています。2ヶ月経っても本当に美味しいコーヒー豆ばかりで、ケイタさんの焙煎はすごいと思います。
ルダイ
いやぁ本当にそうですね。僕もリロコーヒーに入社するまでは、コーヒー豆の美味しさは焙煎後3週間くらいが限界だと思っていました。実際に1ヶ月も経つと急激に美味しくなくなることが普通だったので、コーヒー豆が家に溜まってきたら急いで飲んでいましたね。
イショ
いつもケイタさんにいろんなことを教えていただいています。ファクトリーでの仕事は、今までやったことがないことばかりなので、ケイタさんが一から教えてくださいます。仕事内容だけではなくて、どうやってゴールから逆算して組み立てるか、そして仕事の質についていつも勉強しています。
ルダイ
ファクトリーにいらっしゃるお客さんはLiLo Coffee Roastersとはまた違っていますか?
イショ
はい、ご近所にお住まいの方がたくさん来てくださいます。LiLo Coffee Roastersと比べるとご年配のお客様も多いですね。中煎りや深煎りのコーヒー豆がとても人気で、深煎りがお好きな方がたまに浅煎りコーヒーを飲んで美味しさにびっくりしていただけると嬉しくなります。
(第2回「シンプル / 成長」 へつづきます)
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