年が変わって、もうすぐ2月に入ろうとしているけれども、昨年のクリスマスのお話。

昨年のクリスマスの日、リロコーヒーのスタッフとクリスマス会をしました。

クリスマス会の時にみんなでプレゼント交換する話をこのブログでも書いたけれども、このクリスマス会の醍醐味はプレゼント交換だけではありませんでした。

それは

「手作りでも購入したものでも、一人一品料理を持ってくる」

みんなそれぞれ何を持ってくる予定なのか、事前にちょこっと聞いていました。

その中で私が気になったものが、セキネさんが持ってくると言っていた「ケーキ」

クリスマスにケーキ。どんなケーキなんだろう?やっぱりふわふわのスポンジ生地に生クリームとイチゴかな?

私は焼き菓子が好きだから、イチゴのタルトかな?

私の頭の中でどんどん妄想が膨らみます。

迎えたクリスマス会当日、チキンやピザ、パンなど色んな料理たちがテーブルの上に並ぶ中

「セキネさんのケーキはどこだろう?」とテーブルを見渡すと

まさかの

「今から作ります〜」

の返答。

手に持ったビニール袋の中からは、イチゴやスポンジ生地、生クリームなどが出てきました。

「え?今からケーキ作れるの?」

と思う私を横目に、セキネさんは購入した材料たちをガサゴソと袋から取り出し、

「ユウキさん、泡立て器で生クリームを泡立てて欲しいです、すくってちょっとトロッとするくらい、緩めで」

「緩めの生クリーム、どうやってケーキに使うのだろう?」

と思いながら、泡立てながらセキネさんの方を向くと

大きなオーブン用の天板の上にクッキングシートを敷いて、その上に勢いよく、無造作に切られたスポンジ生地やブラウニーを重ねていき、ところどころに私が泡立てた生クリームを垂らす。そしてイチゴをちょんちょんとバランスを見ながら乗せていきます。そして極め付けは、なんとプリン。スプーンですくったプリンを色んな場所に置いたら完成!

このケーキを作るセキネさんを見ていたら、ケーキを作っているセキネさん自身も、頭の中に完成形のケーキの姿はなくて、その場で作る事を、何ができるのか、どんな風に仕上がるのかわからない、そんなワクワクの気持ちを楽しんでいるように見えました。

この気持ちと同時にセキネさんが作ってくれたケーキ、絶対に美味しいけれども、

「今の私には作る事ができないケーキだ」

とも感じました。

私がいつも作りたいお菓子を考える時、完成されたお菓子の姿が頭の中にはあって、イメージして作る。

一つ一つ決まっていないものを組み立てていく事を楽しむセキネさんに、何だかとっても良い事を教えてもらったような気がしました。

お菓子作りでも、どんな事に対しても、自分で決めていくからこそ楽しい、自分らしさがでるからこそ楽しい。

この文章でも、これから向き合う一つ一つの事に対しても、私にしかない自分らしさの色を出せる事ができたならば、私の日常を彩る色んな事がもっと色づいていくに違いない。

(書いている人:遠藤有希