いつも私がオンライン作業をしているリロコーヒーラボには小型の焙煎機が置いてあります。
ある日、私が出勤し、いつもの扉を開けると何だか香ばしいいい香り。
いつもと違う香りに、何だろう?と思うと拓海くんが、リロコーヒーラボに置いてある小さな焙煎機の前に座って、コーヒーを焙煎していました。
拓海君が自分で焙煎している事に少しびっくりした私を横目に
「おはようございます!ちょっと焙煎しているので部屋が煙ぽくなったらごめんなさい」
いつものようにすごく爽やかな笑顔の拓海くん。
あまりに爽やかすぎて、「焙煎ね、うんうん」と答えたくなってしまったけれども、あの爽やかさに負ける事なく
「拓海君ってコーヒーの焙煎も勉強してるんですか?」
と聞いてみました。
「勉強というか、焙煎をやってみたいなぁという気持ちがあって、興味からですね!」
拓海君がコーヒーに向き合う姿は、いつだって真剣で、英語が堪能な拓海くんが英語を喋っている姿はいつも以上にスマート。そう、拓海くんの良い所は、真っ直ぐにぶれる事なく真正面からコーヒーと向き合っている所。
拓海君がコーヒーに向ける眼差しは真剣そのものです。
が、しかし、焙煎をしている時の拓海君は、いつものように真剣な顔と試行錯誤しながらもたまに見せてくれる爽やかというよりくしゃっと笑う顔が、いつもと何だか違う雰囲気でした。
そして今日。お休みのはずのヨシ君が「おはようございます!ちょっと焙煎しに来ました!」
え??ヨシくんも焙煎?
「僕も焙煎に興味があって、今日同じくお休みの拓海くんにちょっと教えてもらいながら焙煎してみたいと思って」
そう話すヨシくんは、いつもの元気なヨシくんに+して、真剣に拓海くんの焙煎の技術を盗むぞ!とメラメラと燃えているよう。
このお二人、お休みの日にまで、集まってコーヒーの事を勉強している。本当にコーヒーにが大好きなんだなと感じました。
コーヒーが好きで集まったリロコーヒーのみんな。日々仕事をしながら好きなコーヒーが側にあるから満足!ではなくみんなコーヒーへの興味がどんどん深まっている。同じ仕事をする仲間から刺激をもらって、挑戦する姿は誰よりもかっこいいし、そんな人たちが側にいる事、こんなに熱い情熱を持った人たちと一緒に働く事ができている事に、私は誇りをもち、この仲間と過ごすこの時間を大切にしたい。
そして焙煎しながら見せてくれた、拓海くんのコーヒーに対してくしゃっと笑う顔や、ヨシくんの真剣な情熱に溢れる顔。
私、みんなの事よく知っていると思っていたけれども、まだまだ知らないところも多いのかもしれません。
拓海くんとヨシくんが焙煎を終えた時、自分が焙煎したコーヒーの匂いをかぎながら
「いやぁ、面白いですね」
ヨシくんの表情はメラメラと燃える炎からニヤニヤと笑う顔に変わっていた。
仕事が終わって、家に帰る時、ふと自分の洋服からただよう煙の匂いに、私はワクワクした。
私、誰よりもコーヒーに近い場所で、コーヒーを楽しむことができる場所にいる。
きっとまだ私が見つける事ができていないコーヒーの魅力はたくさんあるんだろうな。この場所でこれからみんなとコーヒーと過ごしていく時間がとても楽しみになった。
(書いている人:遠藤有希)