ある日の出来事。
朝出勤して、私は一番にパソコンを使って仕事を始めます。
「よし!始めよう!」
と思ってパソコンを開くと、一枚の紙がぺらっと風に舞って落ちてきました。
「ん?何だろう?」と思って見ると、
「ゆうちゃん」
私の名前が書いてありました。文字を見てすぐにわかりました。この字は菜海さんの字だ!
字から菜海さんの顔が浮かんできて、まるで私の名前を側で呼ばれている気分になり
「なになに、手書きのお手紙嬉しい」
と思いながらスラスラと読み進めていき、読み終わった瞬間。
「ちょっと待って」
思わず心の中でそう叫びました。
菜海さんが書いてくれたお手紙と、選んで綴ってくれた言葉一つ一つに私の心が揺さぶられ、目がうるうる。
でも心は温泉に浸かっているみたいにじゅわーと温かくなりました。
いつも側にいる菜海さんから、びっくりマジックを仕掛けられたみたいな突然の嬉しい出来事でした。
手書きのお手紙をもらうってこんなに嬉しいんだ。
手書きのお手紙をもらったのなんていつぶりだろう?
菜海さんの書いてくれた文字たちが、まるで語りかけているみたいにすぅっと私の中に入っていく。
小学生くらいの時は、友達と交換日記をしたり、可愛い便箋を買って、お誕生日などの特別な日ではなくても、友達やよく一緒に遊んでくれた近所のお兄さん、お姉さんに向けてお手紙を書いたりしていたなぁと、今この文章を考えながら思い出しました。あの時は、覚えたての漢字とひらがなで紙の上に書いて言葉にする事が楽しかった。
懐かしい思い出に心が温かくなると同時に、手書きのお手紙をもらったのは久しぶりだったけれども、私はいつもこの仕事を通してオンラインで注文をしてくれた方たちに手紙を書いている。その手紙を受け取ってくれた方たちは、もしかしたら今の私と同じ気持ちなのかなと感じました。
この方はどんな方なのかな?と見えない顔を想像したり、色んな種類のコーヒーを頼んでくれているから、リロのコーヒーの事が大好きな方なんだろうなと想像したりしながら、私が書いた文字と伝えた言葉たちが、その手紙を受け取った人の心にグッと響く何かを残せていたならとっても嬉しい。
直接会って話したいけれども話しづらい事もあったり、いつもは恥ずかしくて中々面と向かって伝える事ができないけれども、手紙だったら伝える事ができる言葉も気持ちもある。
手書きのお手紙には手書きの文字にしかのせる事ができない人の温もりもある。
今回の菜海さんからお手紙をいただいて気づいた事。
私がいつもオンラインでご注文頂いた商品と一緒に色んな方にお届けしている手紙。
この手紙からリロコーヒーの事、コーヒーの事、私の事をもっと知ってもらいたい。
私が書いたお手紙で、受け取った方たちがポカポカ温かい温泉に浸かれますように。
(書いている人:遠藤有希)