"言わなくても分かるでしょう。"

これは、とても危ない言葉で
言わなくても分かるのなら
"言わなくても分かるでしょう"なんて
よく聞く決まり文句のようなフレーズは
生まれないと思うのです。

たとえ言わなくても分かることを
ちゃんと言葉にするのは
場合によっては力や勇気が必要だったりするけど
その言葉は想像をはるかに超える
チカラを持っている。

素敵なお花屋さんに行った。
可愛い綺麗なお花がいっぱいあって
さらにそのお花が輝いて見えるように
ディスプレイやお店の雰囲気も整えてあって
思わず
「お花、綺麗ですね。お店も素敵です。」
と、言葉が溢れる。

言葉になって初めて
"そう伝えたいくらい、今この状況が嬉しい"
ということに、自分も気づく。

お花屋さんのお花が綺麗?
当たり前のことかな。
でも本当に、綺麗だ。

この気持ちを閉じ込めておくのは
すごく勿体無い。
このありがたい幸せな想いを
いきなり知らない人に
"嬉しいです、ありがとうございます!"って
言われても驚いちゃうよなあ。
"ありがとう"の以外で選んだ言葉が
きっとこれだったんだ。

"コーヒーが好きだ。
コーヒーを仕事にしているんだから当たり前だ。
そんなの見れば分かるでしょう。"

なんて味気のない、余韻のない。

もっとちゃんと伝えられたら
コーヒーがもっと美味しくなるのに。
コーヒーがもっと楽しくなるのに。

熱苦しく語ろうということでは無くて

自分が考えていることや
思ってることなんて
自分が想像してる以上に
分かりにくいことなんだ。

どうせなら
あえて言葉にすることを選択していこう。
人生短いのだから
わかって欲しいだなんて相手を待たずに
気持ちよく伝えていこう。

おいしいコーヒーのお供に
真っ直ぐな気持ちを。