コーヒーを飲んでいる時の時間で
どのタイミングが好きかと聞かれたら
僕はいつも

「コーヒーを飲み込んだ後の時間」

と答える。

コーヒーの味を評価する項目の1つにある

「アフターテイスト」

これはコーヒーを飲み込んだ後、
鼻管を伝わって嗅覚が感じる香りの特性を評価する。

口を開けてしまうと
香気成分が抜けてしまいやすくなるので、
しっかりと評価する為には
口を閉じて、
僕は
目も閉じる。

すると、
本当に素晴らしいコーヒーを飲んだ時は
様々な情報がどんどん脳に押し寄せてくる。

とろける様なカスタードの甘さが
口の中にずっと残っていたり、
煮詰めた砂糖の甘さに
ほのかにベリーの香りが相まって
ストロベリージャムを舐め続けている様な
感覚になったり。

美味しいコーヒーはそんな味がする。

そして、
そこからがアフターテイストの
醍醐味なのだが、
【余韻】
が楽しいのだ。

「余韻」

•音が鳴り終わった後にかすかに残る響き。残響
•事が終わった後にも残っている風情や味わい
•詩文などにおいて言葉では表現されていない趣や情緒、余情

コーヒーではこの2番目の項目になるかな。

「飲む」という行為を終えているので、
アフターテイストを感じている時には
他の情報が入ってきやすい。

口を閉じて、
目を閉じているなら尚のこと。

周りの音楽。
空間の雰囲気。
その時の気分。
今までの記憶。

それらが
素晴らしいアフターテイストと
うまく絡まり合うと、
言葉にならない心地良い余韻が
全身に沁み渡る。

心から幸せな気持ちになる。

1杯のコーヒーを100円で
済ませることも出来る時代。

そんな中でも
1杯のコーヒーに
お金と時間をかけるなら、
特に心地良い余韻に
浸りたいものだ。