イチゴ。

と聞くと、
おそらくほとんどの人は
あの赤い実と緑のヘタを
瞬時に頭に描き、
それが描かれたとほぼ同時に
口に含んだ時の
みずみずしくて甘酸っぱい味、
ピンク色を思い起こさせる芳醇な香り。
くらいまでは思い出せるはず。

これは、【記憶】で
過去の経験から得られたものを
心に思い浮かべている。

では、

コーヒーのフレーバーが
イチゴ。

と聞くとどうか。

これも、イチゴのワードが強く
実の形状や味と香りも
瞬時に思い起こさせる点では同じ。

でも、
コーヒーはイチゴでは無い。

コーヒーはコーヒーだし、
イチゴはイチゴだ。

コーヒーのフレーバーがイチゴ。

というのは、

コーヒーを飲んだら
イチゴの「ような」
フレーバーがする。

ということ。

これは、【想像】で、
過去の経験を分解して
再構築して、個人として
現実的では無い新しいものを
心の中に生み出すこと。
(想像を検索すると出てくる)

他の例を挙げると、
「青空」と聞くと思い浮かべる青空は、記憶。
「青空の味」と聞くと思い浮かべる味は、想像。
と、なる。

青空の味。

パッと書いてみたが、
いろんなパターンが
出てきそうだ。

想像力が豊かなら
いろんなパターンを
自分でも作れそうだ。

想像する力とは記憶の量と
それを分解して組み立てる力。

記憶量を増やしやすいのは
体験して経験すること。

文字に書かれたイチゴの味わいよりも
実際に触って嗅いで食べたイチゴの方が
記憶に残る。

分解して構成する力は、
きっと何度も何度も繰り返すことで
培われていくんだろうと思う。

想像力が発揮されるシーンは
コーヒーを飲む時のフレーバーだけに留まらず
コーヒーを焙煎する時や
日々のお店の営業にももちろんある。

人と接する時もそうだ。

相手が何を考えているか想像する。

想像すればするほど、
こうした方が喜ばれるんじゃないか
こうした方が気持ちいいんじゃないかと
行動に移す。

相手を思いやることが出来る。

ただ、気をつけたいのが、
対人関係においては
想像力が時に
マイナスに働くことがある。

自分と相手は異なる考え方をしているからだ。

相手の気持ちは体験していないから
自分にはわからない。
記憶のレパートリーに無い。

そういう状態で想像すると、
これまでの他の経験を基にしたり
自分自身の経験を軸にしたりして
間違った想像になってしまう事がある。

想像力が豊かであればあるほど
自分の中で完結させてしまい
それに気付けなかったりする事がある。

そうならない為に
コミュニケーションがある。

相手の考えていることを確認して
想像を修正して、
確認して、想像して。

相手の気持ちがわかれば
その想像は同じ方向を向くはず。

ほんの一言でも全然違う。

それこそ挨拶をするだけでもいい。

青空の味を表現する
チカラを付けると同時に、
それをより良い表現にする為の
コミュニケーションを
取れる人になっていきたい。