コーヒーにはルールがない。

世界には
色んな焙煎方法があり
色んな抽出法があり
色んな飲み方があって
色んな好みがある。

最新鋭の何千万円もする焙煎機で焙煎された
Cup Of Excellence受賞の豆もコーヒーだし、
コーヒー豆生産国であるエチオピアで
1000年以上前から伝統的に今も行われている
カリオモンというコーヒーセレモニーでは、
鉄鍋で生豆をかなりの深煎りまで煎り
湯で煮立たせて飲む。

どちらも紛れも無いコーヒー。

この両者は極端ではあるが、
「コーヒーはこう飲むもの」
というルールが無いからこそ
今もなお世界最新最高品質のコーヒー豆を
生産しているエチオピアで
1000年もの伝統的文化が継承されている。

もちろん、日々僕も
コーヒーを焙煎するプロファイルも作っているし
コーヒーを淹れるレシピを決めている。

ただ、それは言うなれば
「ガイドライン」に沿って
決めたものであって、
こうしなければならない
という「ルール」に沿ったものではない。

ほんの紙一重のニュアンスの違いだが
この違いが非常に重要で大きいと
僕たちは考えている。

ルールを固定してしまうと
人は考えなくなってしまう。

そのルールに従うことが
正解とされてしまうからだ。

ルールがあれば楽だ。

それが正解だから。

失敗しないから。

ただ、
それって楽しいんか。

コーヒーは鉄鍋で
真っ黒になるまで煎って
湯で煮立たせて飲むもの
という鉄のルールが
決められてしまっていたら、
きっとコーヒーはこんなに
世界中で愛される飲みものになっていない。
相場対象にもならないし
文化的農産物にもなっていない。

ただでもむやみやたらに
ルールが無い事が良いことかと言うと
無法地帯なだけでそれもまた違う。

ガイドラインがあるとすれば

「常に良くなることを考え
柔軟に変化して実行していくこと」

ウチの社長がいつも言っていることだ。

コーヒーにはルールがない。

だから
僕たちも大好きだし
僕たちに合っている。