僕はロースターなのでほぼ毎日焙煎しているわけだが、
豆にしっかりと熱量をかける(カロリーを与える)
という点は特に意識している。

熱量が足りないと、化学反応が十分に行われず
本来その豆が放つべき香味成分が作られなくて
何ともボヤけた味になったり、
時には不快な味わいになり得る。

適切に行われていない焙煎というのは、
それこそ色んな原因があって
そりゃ、適切に行われる焙煎が
最も良いのだけれど、
「熱量不足」
というのが何とも残念で
最も避けたい焙煎。

その豆は本当はもっと素晴らしい
ポテンシャルを秘めているのに
焙煎のせいでそれが発揮出来ないなんて
あらゆるその豆に携わってきた方に
申し訳ない。

そして、熱量不足が起きるケースは
焦げることを恐れて消極的になり
火力を絞った場合や
焙煎で大切な行程を、
効率化という名目で
省略した時に起こりやすい。

残念すぎる原因。

熱量をもって物事にあたるというのは
焙煎でももちろんそうだが、
日々の仕事に対して、
毎日の生活に対して、
周囲の人間関係にも
置き換えて言えることで
常に意識していたい。

消極的になったり
怠慢になったりすると
熱量が不足して
良いことは起こり得ないし
機会を損失しかねない。

焙煎から得られるものは
無限にあって面白い。