バリスタにとって
大事なことってなんだろう。

この仕事を始めたばかりのころ
同僚に淹れ方を教えてもらいながら
ドリップコーヒーを作っていた。

兎にも角にも
"美味しいコーヒー"を目指すわけですが
…方法が分からないんですよね。

美味しいコーヒーを入れる為に
良い豆、良い抽出器具ばかりに
フォーカスしてた時期もあって

深煎りの豆ばかりで
コーヒーを淹れていた時は
お湯を注いだときに
豆が膨らまなかったら
"この豆元気ないなぁ…"っと
味の出来を豆の状態のせいにしてみたり…。

そんなモヤモヤした気持ちを
スカッと飛ばしてくれた言葉が

"バリスタの仕事は美味しい豆で
美味しいコーヒーを作るんじゃなくて
どんな豆でも、どんな環境でも
その豆のポテンシャルを最大に引き出すこと"

恥ずかしながら
ハッと気が付きました。
自分は何をやっているんだろう。
それがバリスタの仕事なのだ。

私たちは
お店ではもちろん
家でも、外でも、どこででも
どの豆を使ったとしても
その場の環境で出来る最高の
パフォーマンスをする事に意味がある。
そのコーヒーで
飲み手に喜んでもらえる
技術が必要なのです。

一流の材料と器具があったとして
それをどう扱うかは、バリスタ次第。

ぱっと集めた適当な材料と器具で
どこまで豆の魅力を引き出せるのかを
考えるくらいギークでいたい。

だから
淹れ方を研究して
色んな豆の味を知って
色んな器具を使う。

引き出しが多ければ多いほど
"美味しいコーヒー"に近づける。

そんな風に日々
バリスタの仕事に魅了されています。