ほんの些細な変化だと思っていても、
それが回り回って大きな変化に結びつくことがあって
それは焙煎において、顕著に表れたりする。

例えば、焙煎機に投入する生豆の重量が100g変わったとする。
15kgの焙煎機においてはわずか0.67%程の内容量の変化で、
焙煎機の釜内部ではほとんど変化がない様に思える。

でも、その100gの変化で釜の中の温度が0.4℃変わる。
0.4℃変わると1分間あたりの温度上昇率が変わり、
同じ熱量でその0.4℃の熱を賄おうとすると約3秒長く
熱を与える必要があったりする。

その3秒を10分間で換算すると単純計算で30秒。
焙煎において30秒というのは、同じ豆でも
もはや別ものというレベルの味の違いがある。

0.67%の変化がそれだけの影響を与える。

それが100gの生豆の量だけではなく、
温度や時間、ありとあらゆる可変要素が重なり合えば
それはもう全く同じ状態をつくり出すことが
いかに至難の業かわかると思う。

でも、僕たちはそこを目指す。

だから些細な変化に敏感になり
どんな変化にも柔軟な姿勢でいる必要がある。