雨が持つイメージって面白くて、人によって全然違う様に見えて共通点があったり、かと思えば完全に相反していたりするのが僕の印象。雨の音のイメージは、軽快で明るくポップだったりする。でも、雨に抱く色のイメージは、青や紫で、コーヒーの味わいで表現すると比較的落ち着いた印象なんです。この音と色で真逆とも言える味わいを一つのブレンドで表現することが、今回の僕のミッションでした。

 

今年のテーマは「五感で味わう季節の珈琲」なので、音を引き立てる為の色がある。まずこのブレンドで飛び込んでくるのは水彩カードの色による目からの印象で、その落ち着いた紫のイメージを踏襲しつつも、相反する躍動感やポップな味わいに仕上げました。想像よりも遥かに暗く、同時に明るいコーヒーです。

 

味わいのギャップを探す楽しさと、なるほどねと納得出来る安心感。1杯のコーヒーを楽しむ時間が人によって違うように、その1杯で楽しめる味の幅もまた人それぞれ。たっぷりとその幅に余裕を持たせたつくりになっています。スペシャルティコーヒーブレンドならではの複雑な味わい。きっと飲む人によって感じる味も全く違うし、好き嫌いも違うんじゃないかな。ただ、どんなプロセスであれ、最後は納得出来ちゃうような、そんな一杯です。

6月もシーズナルブレンドを楽しんでください。