こんにちは!私たちはLiLo Coffee Roastersです。
LiLo Coffee Roastersは、大阪の自家焙煎スペシャルティコーヒー企業です。リロコーヒーでは、大阪のローカルな魅力を取材し、 "オモロい大阪"をブレンデッドコーヒーの香りと味わいで表現した「THISISOSAKA 」シリーズを展開しています。THISISOSAKAは、おいしい!を詰め込んだクリエイティブなコーヒーであり、大阪の魅力を伝えるメディアでもあります。

 

今回の舞台は、大阪・南森町。大阪に根ざした企業の本社が多く立ち並ぶビジネス街でありながら、歴史ある神社仏閣や日本一長い商店街も隣接している。

このユニークなまちに、とあるカフェができた。一面ガラス張りのファサードから中を覗いてみると、理科の実験器具のようなものが鎮座している。なんだろう、ここ?

赤い看板にはFabCafe Osakaと店名が書かれていた。

 

世界に10店舗以上を展開しているFabCafeは、ただのカフェではない。カフェの空間に3Dプリンタやレーザーカッターといった機材を設置し、誰でも自由にアイデアを仲間と共有し一緒に育てることができるクリエイティブなコミュニティだ。2012年に東京・渋谷に誕生して以来、アジア、ヨーロッパと世界中に拠点を広げている。

そんなFabCafeが、2025年春 大阪にオープンした新店舗「FabCafe Osaka」ではモノづくりの機材を一切置かないという。代わりに導入したのは、なぜか「蒸留器」だ。


ここから、大阪が面白くなる何かが始まる予感がする。

FabCafe Osakaの楽しみ方を、プロデューサーの小島さんに教えてもらった。

 

---Interview --- 
FabCafe Osaka 事業責任者
小島 和人(ハモ)さん

Kazuto Kojima
大阪府守口市生まれ。建築、デザイン、プランニング、アートと多分野で活動を重ね、多様な視点と未来を見立てる力を培う。大阪では、まちづくりやエリアマネジメントに注力し、地域の文化・歴史・環境を活かした持続可能な都市モデルを提案。行政・企業によるトップダウンの構想と生活者・クリエイターによるボトムアップの活動を接続している。FabCafe Osakaを拠点に、大阪・天満や南森町エリアから「都市とローカルの融合」を模索し、新たな都市の未来像を描く。


 

目に見えない「香り」を楽しむ

元々は自動車整備工場だった建物を改装したという店内は、スタイリッシュなのにどこか有機的なあたたかさを感じる。鉄骨の上から淀川の土を吹き付けて仕上げた土壁や、木の幹を座面にした個性的な椅子たち…。


 

見どころは多いが、やっぱり気になるのは蒸留器!

窓際でコポコポと何かの葉っぱを煮ているこの器具に、店の前を通って大阪天満宮に向かう参拝客も興味津々だ。この蒸留器は、どんなふうに使っているんですか?


【小島さん(以後敬称略)】
「私たちは、この蒸留器を『香りを抽出する道具』として使っています。日本各地から厳選したハーブや茶葉、柑橘類から香りを抽出し、素材の香りと情緒を楽しめるモクテルやカクテルに仕上げているんです。」

 

  「私たちが飛騨市、株式会社トビムシとともに運営している会社(株式会社飛騨の森でクマは踊る)の社有林でも、クロモジやキハダといった植物を採取してドリンクの材料にしています。」と小島さん
photo: norico uemura)

 

本当に調理器具として使っていたんだ!一杯のドリンクで森の青く爽やかな香りを味わったり、季節の移ろいを感じられる体験はとてもワクワクする。

 


 

形のないものにひそむ価値

世界中に10店舗以上拡がっているFabCafeの中でも、蒸留器があるのはここFabCafe Osakaだけだ。FabCafe Osakaでは、どうして香りに着目したんだろう?

 

【小島】「香りに力を入れているのには、この店のコンセプトが関係しています。FabCafe Osakaでは、近現代の美術思想から引用した『L’Informe(アンフォルム)』という言葉をコンセプトに掲げています。アンフォルムとは、『形式に縛られない美しさ』を追求する思想です。」

 

形式に縛られない美しさ。わかるような、わからないような…。

 

【小島】「私たちの『感性』や『情緒』は、目にみえず、触れることができません。こういった形を持たないものを私たちは”アンフォルム”と呼んでいます。捉えにくく、あまり意識されることがないものに光を当てて、その価値を見えるようにしたいんです。だからこそ、形を持たない『香り』をテーマにしたドリンクを開発しました。」

 

 

今の時代は、すぐに役立つ情報やコンテンツが価値の高いものとして扱われやすい。それに対しFabCafe Osakaでは、日常で見過ごされている情緒的な体験(自分の感性がうごき出す体験)をしてもらうため、おいしいうえに五感が刺激されるメニューを創作したんだ。

でも、FabCafe Osakaはただ面白いドリンクを提供するだけでは終わらない。小島さんはもっと面白い未来を描いていた。

 


 

感性を活かした新たなカルチャーの発信源

【小島】「私たちは、『すべての人のうちにある創造性を信じる』という理念をもとに、さまざまなクリエイティブ活動に取り組んでいます。FabCafeもその活動の一つです。FabCafe Osakaでは、感性や情緒を種にして新しいカルチャーを創っていきたいと思っています。」


FabCafe は、アーティスト、学生、企業ではたらく人など、立場や職の垣根を越えてさまざまな人が集まる「クリエイティブコミュニティ」だ。興味があれば、誰でもその輪に飛び込んで創造性を発揮することができる。

 

【小島】「企業からアーティストまで幅広い分野のゲストを招いて大阪の未来について考えるトークイベントや、さまざまな企画展を計画しています。そして、店内の蒸留器もみんなが使えるようにしていきたいですね。」

 

え、蒸留器が使えるようになるんですか??


【小島】「抽出する材料やいろいろな環境要因に左右されるので、まだまだ取りあつかいが簡単ではありません。そこで、AIとデータ解析を活用して、安定してねらい通りの蒸留ができるしくみを構築していきます。アイデアを持った人が、誰でも蒸留器で実験や創作活動ができるようにしたいんです。


ここに来たお客さんが、おいしいドリンクを飲みながら蒸留器を操っている未来を想像すると、なんだかワクワクしてくる。僕なら何を蒸留しようかな。


photo: FabCafe Osaka HP

 


 

大阪町人の粋な感性を、ふたたび

それにしてもなぜ、FabCafeはこの新しい挑戦の舞台に大阪を選んだんだろう?


【小島】大阪は、感性を大切にするクリエイティブコミュニティの拠点として、いい土地だと思っています。商売の街、という印象が強い大阪ですが、かつて都だった時代もあり、これまでに様々な芸能文化が大阪で発展しました。江戸時代には大坂の町人文化と結びついて茶道の精神が育まれ、大阪人たちは茶を飲みながらこのまちをどうやってよくしていこうかと話していたはずです。

そして大阪人は、『やるぞ!』と心が動いたことに対してものすごい力を発揮し、自分たちで創り上げてしまうエネルギーを持っています。大阪は『水都大阪』と呼ばれるように川とともに成長してきた都市ですが、実はいくつもの橋や堀は、民間の大阪人によって築かれたんです。泉州地域のだんじり祭を始めとする大阪の祭の数々も、利益が得られるからではなく、ただ『まちのために』という大阪人の情熱によって現代まで活発に続いています。」

あの有名な道頓堀も、安井道頓という商人らが私財を投げ打って開削した堀川だ。

多くの都市では、橋や堀といったインフラは公的権力によって整備されるのが普通だ。しかし大阪(とくに江戸時代の「大坂」)では、橋・堀・河川の整備が町人や民間の力によって推進された、という独自の歴史がある。小島さんは、かつて大坂の町人たちが持っていた「自分たちのまちは自分たちでつくっていこう」「どうせやるなら、粋に、かっこいいものを!」「仲間と一緒にまちぐるみで文化を育ててこう」という感性を、FabCafe Osakaでまた育もうとしているんだ!

 

【小島】「ここに来てくれた人全員に対して、難しい問題を考えてほしいわけではありません。まずはFabCafe Osakaの香り豊かなドリンクを飲んでみることが、自分の感性に触れるきっかけになればいいなと思っています。」

小島さん(写真左)、FabCafe Osaka店長の福田さん(写真右)。
フレンチ料理人としての経験を持つ福田さんはノンアルコールペアリングや茶への深い造詣があり、FabCafe Osakaでは蒸留機を使って香りに特化したドリンクを創作している。「上方落語の寄席、天満天神繁昌亭ができてからこのまちに来る人の流れが変わったとこのエリアに長く住まれている方にお聞きしました。FabCafe Osakaも、新しい潮流を生むことができるよう頑張りたいですね」

 

大阪に、面白いことが生まれる新たな拠点が誕生した。

ここではおいしいドリンクやフードを楽しみながら、誰もが自分の感性を発揮して、クリエイティブな活動ができる。「THIS IS OSAKA!(これぞ大阪!)」と言えるムーブメントが、ここFabCafe Osakaから生まれるのが楽しみだ。


僕たちLiLo Coffee Roastersの使命は、おいしいコーヒーを通して、心が動く瞬間や人と人の豊かなつながりを拡げていくこと。「情緒」や「粋」を大事に、自分たちのまち大阪を自分たちで面白くするんだという意志は僕たちも同じだ。FabCafe Osakaが描く未来に強く共感し、ともに協力していきたいと思った。

 

FabCafe Osaka

営業時間:11:00 – 21:00
イベント開催などの都合により営業時間を変更する場合があります。

大阪府大阪市北区天神橋2丁目2−4

公式サイトはこちら

 

 



FabCafe Osaka × LiLo Coffee Roasters
「アンフォルム」が香りたつコーヒー

 

豆を挽いた瞬間、弾ける香り
抽出するあいだ、空間にじんわり満ちていく香り
カップに顔を近づけた時の、鼻をくすぐる繊細なアロマ
一口含んだとたん 鼻から抜ける豊かなフレーバー!
そして、静かにのこる 心地よい余韻。

一杯のコーヒーは、時とともに移ろう香りで
あなたの感性を目覚めさせます。

LiLo Coffee RoastersはFabCafe Osakaとタッグを組み、
香りの変化を楽しんでいただける
特別なブレンデッドコーヒーを創作しました。


THISISOSAKA FabCafe Osaka Blend

感性が目を覚ます、重厚な香り。

力強いコクと心くすぐる甘さが美しく調和したブレンド。

THISISOSAKA FabCafe Osaka Blendは、本日のコーヒーと、カフェラテでお楽しみいただけます

 

POINT

① 多様な人が集い、創造性を発揮する

② 大阪の風土がもつ力強さ

③ 感性を刺激する複雑な香り

④ 人と人がつながるコミュニティ

 

さまざまな立場の人が集うコミュニティをイメージし、約10カ国ものコーヒーをブレンド。

カップから立ちのぼる、湯気とともに広がるナッツの香ばしい香り。口に含むと、大地の深みを思わせる香りがふわりと鼻に抜けていきます。飲み進めるうちに、ダークチョコレートのようなほろ苦い甘さの奥から、ほのかにウィスキーを思わせる芳醇なニュアンスが顔を出します。最後まで静かに口の中に残るのは、糖蜜のようにじんわりとした甘い余韻。

香りが重なり合いながら移ろう、表情豊かな一杯です。

【感じられるフレーバー】

アーシー(大地を思わせる)、ナッツ、ダークチョコ、ウィスキー、糖蜜

 

SEASONAL  Blend

日本の四季を香りとともに楽しむ、シーズナルブレンド。

リロコーヒーのブレンダーが、その時々の気候や空気感に寄り添い、

香りや味わいのバランスを繊細に創り上げます。

ブレンドの内容は季節のうつろいに合わせて変化し、

一杯ごとに、その時期ならではの表情が立ちのぼります。

FabCafe Osakaのバリスタが、一杯ずつ丁寧にハンドドリップ。

ふわりと広がる香りとともに、

今この瞬間にしか出会えないアンフォルムな味わいをお楽しみください。

SEASONAL Blendはハンドドリップコーヒーでお楽しみいただけるほか、蒸留シロップと掛け合わせたカフェソーダやカフェサワーとしても提供しています

シーズナルブレンドについて詳しくはこちら。

 


 

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私たちLiLo Coffee Roastersは、コーヒーのおいしさにこだわっています。なぜならおいしいコーヒーは、多くの人々の生活にワクワクと楽しさを与えられるからです。世界で生産されるコーヒーのトップ1%である“スペシャルティコーヒー”をさらに自社で厳選し、豆ごとに焙煎や抽出の方法を変えて優れた特徴を引き出しています。 

大阪の企業として果たすべき使命は何でしょうか。それは、自分たちの街のすばらしさを、誇りを持って世界に発信することです。そしてコーヒーを通してあなたと大阪をつなぎ、大阪をもっとワクワクでいっぱいの街にすることです。


THISISOSAKAは、クリエイティブなコーヒーであり、大阪の魅力を伝えるメディアでもあります。

・大阪のすばらしい魅力をとことん取材!

・"オモロい大阪" を詰め込んだ ブレンデッドスペシャルティコーヒーを創作!


大阪から世界へ。THISISOSAKAの輪が拡がっていきます。

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